【ハイキュー】青春の果て (ページ20)

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第十八話ページ20

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セットカウント 3(イタリア)ｰ1(日本)

完敗だった。

やはり、世界のレベルは高い。

もちろん、負けたのは悔しい。

フィードバックをして、ミーティングをして、

次は勝つ為に

まだまだ練習をしなくてはいけない。

しかし、俺の頭にずっと残るのは

先程のAの笑顔だけだった。

何年ぶりだろうか。

俺がスパイクを決める度に、

試合に勝つ度に、

あの笑顔で送ってくれていたグッとポーズ

それを見た時、

胸がざわざわした。

『としくん、』

『A…』

ミーティングを終えて、

更衣室に向かう通路にAが待っていた。

『お疲れさま』

『ああ』

『今までごめんね』

『…何がだ？』

分かっている。

お前がごめんねと謝る理由も。

だが、素直になれなかった。

『としくんのこと、ずっと避けてたこと。
バレーボールから、ずっと逃げてたこと。
ごめんね。』

Aは元気のない声でそう言って、うつむいた。

しかし、突然顔をあげて

『でもっ…！！もう逃げない！！

今日の試合のおかげで、

としくんのおかげで…！！

やっぱりバレーボールは楽しいんだって思った！！

…コートにいなくてもっ、楽しかった！！

だから…

だからありがとう…！！としくん…！！』

目尻にほんの少しの涙をにじませながら、

でも、

俺がずっと見ていたいと思ったあの笑顔で、

そう言った。

『…これからも、俺を避けないでいてくれるか？』

『うん…っ！』

『…これからも、バレーボールを好きでいてくれるか？』

『うん…っ！！』

『…これからも、俺と一緒にバレーボールのそばにいてくれるか？』

『もちろん…っ！！』

それが聞ければ、俺は充分だ。

これからも、いつまでも、

お前のためにバレーボールをしよう。

その想いは、より一層俺の胸の深くに芽生えた。

『ありがとう、A』

それまでずっと、俺の心に漂っていた霧のようなものが晴れたような気がした。

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『(なんだろう、帰ってきた時の若利の顔、すげえ良かったな……あ、やべ、ギャ◯ビー忘れた。)誰か、ギャ◯ビー貸してー』

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