第十九話 ページ21
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高校3年 12月
「志村ー瀬川ー、お、瀬川は公欠か。」
私は今、東京に来ている。
東京に住む仲の良かった遠い親戚の兄ちゃんが結婚するということで、私だけが招待された。
交通費とかも出してくれるのでラッキーと思いながら、ついでに志望校の大学にも来てみた。
「でか……いや、ひろ……」
いやいや、広すぎでしょ。
しかも綺麗だし…
えー……学校の中にス◯バがある…
どうなってんだ、東京の大学って…
「いでっ…!」
え?あ…
やばい…キョロキョロしながら歩いてたら人踏んじゃった……
「すみません…!大丈夫ですか!?」
「いや、全然大丈夫!こんな所で昼寝してた俺が悪いしね!」
昼寝……
大学って自由なとこなんだな…
「よいしょっ、あれ、君高校生?」
「え、あ、そうです!志望校なので少し見学したくて…」
「そーなんだ!よかったら俺案内しよーか?」
「え、いいんですか??」
こんなありがたい申し出を断る理由なんかない。
ちょうど広すぎてどこから何を見ればいいのか分からなかったし…
「全然いいよー!目も覚めちゃったし!」
「すみません…よろしくお願いします!」
「俺は宇内天満!ここの4年!」
「瀬川Aです!」
「Aちゃんね、よろしく!」
てくてくと歩き出した天満さん
背はそんな大きくなくて、私と同じくらい
でも大学生って感じの男の人
「ところでAちゃんさ、白鳥沢なの?」
突然当てられてびっくりした。
確かさっきもなんで高校生だって分かったんだろう…
あ、そういえば制服だったわ。
結婚式に着ていく服がなくて制服にしてたんだったわ。
「当たりです!」
「だよねー、俺も地元宮城なんだよ」
「そうなんですか?ちなみにどこの高校だったんですか?」
「烏野!」
烏野…
そんな偶然があるんだな。
「白鳥沢ってめちゃくちゃバレー強いよね」
「そうですね、でも今年の春高は烏野が代表なんです」
「え!!まじで!!」
「すごくいいチームでした」
「Aちゃんもバレー見るの?」
「見ます!」
「そっか〜!俺、元バレー部でさ!俺たちの代以降、春高はあんま行けなかったんだけど、そっかそっか〜」
天満さんは嬉しそうにスキップし始めた。
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作者名:にゃん吉 | 作成日時:2020年1月21日 23時