第三話 ページ5
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ピーッ
コート練習交替のホイッスルが鳴って、黒とオレンジのユニフォームを着た烏野のチームが入ってきた。
「見てー!あんな小っちゃい子いる!補欠かな?
なんか可哀想になるね…」
「どうしても弱い方応援したくなっちゃうよね〜」
そんな声が聞こえてきた。
コートの中で目立つ10番の背番号を背負ったオレンジ色の頭の子
リベロ以外の選手で一段と低いその子が助走の態勢に入る
キュッ バッッ
タ ダアァンッ
「!?」
「ーあのチビ、真下に打ちやがった!!?」
「つーか速っ!?
何!?今セッター、球触った!?」
10番の子がスパイクを真下打った瞬間、会場がほんの数秒静まりかえった。
いや、どんだけ飛んでるの?てか、セッターの今のセットが早すぎて見えなかった…
みんな、私と同じように突っ込みどころが多すぎて静まりかえったのだろう。
ピリピリと張り詰めるコート上の緊張感が手に取るように分かるほど、こちらに伝わってきた。
「これより、全日本バレーボール高等学校選手権大会
宮城県男子代表決定戦
宮城県立烏野高等学校 対 白鳥沢学園高等学校の
試合を開始致します。」
パチパチパチパチパチ
ピッ
「両チームのスターティング選手を紹介致します。
白鳥沢学園 1番 牛島若利 ーー」
『相手にコンクリート出身の面白い奴らがいる。楽しみにしておけ。』
としくん、
まだハッキリじゃないけどコンクリート出身の奴らがだれなのか分かった気がする。
確かに彼らはすごい気がする。
でも彼らさえ、
としくんはその圧倒的パワーとセンスで
ねじ伏せていくんだろうね。
ピーーッ
試合開始のホイッスルが響き渡った。
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作者名:にゃん吉 | 作成日時:2020年1月21日 23時