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第二十六話 ページ28

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ーーー1年強化合宿 5日目









「山形くんはさ、壁にぶち当たったことある?」




図書室で勉強しようと日曜だけど登校すると、たまたま山形くんと会ったので先日日向くんと話した壁について話を振ってみた。




「壁か…あるな」



「へー、どんなだった?あ、差し支えなければで…」



「中学の2年の時だったかな、一時期レシーブが全然うまく拾えなかった時があってな。
そん時はリベロとしてのプライドがずたボロになったな。」



「今からじゃ全然想像つかないや」



「いくら練習してもそのスランプみたいなもんから抜け出せなくて、バレーは中学でやめようと思ってたな。」



「うそ、そんなにひどかったんだ」



「ああ。
でもそれを見兼ねた監督にな、客観的に見極めろって言われて白鳥沢の試合のCD渡されたんだ。

よく分かんないまま見たその試合に出てたリベロがめちゃくちゃかっこよくてさ。
それからめちゃくちゃ試合見まくって研究した。
そしたら、今まで見えてなかった自分の欠点とか分かるようになって、だんだんスランプから抜け出せるようになっていったんだよ。」



「だから白鳥沢に来たの?」



「それもあるな。有難いことに推薦も貰ったし迷うことはなかったな。」



「壁にぶち当たったからこその、白鳥沢のお父さんポジションか…」



「なんだそれ、初耳だぞ」



「ナンデモナイデス」




やっぱり皆経験するんだなー、人生の壁みたいなやつ




「まあ、でも多分《壁》ってやつは誰かの助けが打開策になるんじゃなぇかな。
一人で《壁》に立ち向かうってのは相当大変なことだろうよ。」



「例外もいるけどね」



「おたくの若利サンは壁なんて当分ありませんね」



「恐らく。」





その時、ちょうど向こうから歩いてきた天童くんが声をかけてきた。





「隼人くーん、今日明くんお休みだから1年強化組と合同練だってー」



「斉藤さんどうしたんだ?」



「牡蠣に当たったらしいヨ」



「なんだそれ」



「天童くんおはよー」



「Aちゃんおはよー!あ、」





なぜか私の顔を見てピピピーンッというような顔をした天童くん




「Aちゃん、見にこない?合同練」



「え?」




ニヤニヤする天童くん




「別に行ってもいいなら…」



「全然おーけー!ウェルカムだよー!」





天童くん、相変わらず読めない男だ。






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作者名:にゃん吉 | 作成日時:2020年1月21日 23時

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