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第二十五話 ページ27

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「へー!じゃあAさんもバレーやってたんですね!!」



「うん、セッターやってたの」





日向くんのコミュニケーション能力がやばい。

たった数分前に出会ったばっかなのに、話が全然途切れない。




「セッター!!ウチのセッターは嫌なヤツだけど、すごいんです…今やジャパン…」



「飛雄は嫌なヤツなの?」



「!Aさん、影山と知り合い!?」



「うん、なんかぶつかる縁があるんだよね」



「クソ、影山め…!おれもその縁ほしい…!」





いや、そんなホイホイ人にぶつかりたくないわ。





「…影山は何もかもおれより上だ…」



「でも1年の強化合宿に呼ばれたんでしょ?」



「いや、乗り込みマシタ」



「乗り込んだ?!ほんとにバレー馬鹿だ…」






あの攻撃といい、性格といい、なんか色々と日向くんはバグってる…






「あ、それでビブスとか練習じゃなくてサポートみたいなことやってるのか」



「鷲匠先生がボール拾いならいいって」



「ボール拾いか」





懐かしいな。






「おれ、早く先に行きたいです。もっともっと強くなって、影山とかに追いつきたいです。焦ってもよくないって分かってるんですけど…」



「壁だね」



「え?」



「早く成長したい、もっと強くなりたいって思うのは誰だって普通のことじゃない?
でも、身体や技術がその想いに追いついてこなくて足止めされる。

現実的な問題と精神的な向上の間に生まれるギャップが《壁》になるんだ。」



「確かに…」



「でも、《壁》は子供だろうが大人だろうがプロだろうが関係なく、全員に平等に与えられるもの。

その《壁》を前に乗り越えるのか諦めるのか。

乗り越えるためにはどうすべきか、考えられる人がその先の景色を見ることができる。」





日向くんの方に顔を向けると、まっすぐこちらを見つめていた。





「まあ、要はがむしゃらにやるってよりかは焦らず考えるべきなんじゃない?って私は思う。」







人には、それぞれ違う《壁》が立ちはだかる。




乗り越えられる《壁》もあれば、どうしても乗り越えられない《壁》もある。




その乗り越え方だって、人それぞれ違うんだ。








「あ、着いた!ここだよ!」








あっという間に到着した洗濯場所








「……Aさん、



ありがとうございます!!おれ、頑張ってみます!!」



「…うん!がんばれ!」







日向くんはきっと…いい選手になるんだろうな。








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作者名:にゃん吉 | 作成日時:2020年1月21日 23時

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