泣きっ面に蜂とは正にこの事 ページ23
「ったく、今日は実質非番だってのに。クソ浪士さんよォどう責任とってくれんでィ」
しかもクソみたいに弱ェ。
一応尋問しとくか。まぁ、クソみたいな理由なんだろうけど。
刀を首元にかざし、狙いを聞き出す。
「………っちッ、女隊士だよ。
だが、もうボスが捕縄してる筈だ。女隊士なんて力で敵う筈もない。今頃泣き喚いてらぁ、助けてぇ助けてぇってな」
「そうだねィ。そうしてくれたら、どんなに楽か(調教面で)。
じゃ行くとするか。ブスの不細工な泣き面、拝めるかもしれねェし」
人ってのは、弱ってる時に優しくされるとオチやすいって聞いたんで。
まぁ俺ァ、オトすってより陥れたいがねィ。
〈お掛けになった電話番号は、電波の届かない…ブチッ…〉
「ご主人様の電話、無視するたァ良い度胸してらァ」
死ぬなよ、だって俺が殺すから。
・
「殺しちゃうゾ」
路地裏に入ると聞こえた声。
明るい感じの声だったので、少年達の青春かと思ったが…飛んだ思い違いだった。
今にも青年が、おじさんに殴りかかろうとしているではないか!?
……さそり。頭に浮かんだ言葉はそれだった。
「ちょっと、ちょっとお兄さん!!やめましょう?暴力は何も生み出さない。愛も、真実も」
あぁ、いいこと言ったわ。
「ちょっと何言ってるか分からない」
笑みを浮かべながら、こっちを振り返る。
あぁ!!外国人か!
通りで肌も白いし、髪色も!!
そうだよね。日本語難しいもんね。
「ラブアンドピース!」
「…殺しちゃうゾ?」
「…ん?おじさん、その刀…まさか。攘夷浪士…お兄さんは逃げて」
「ふーん君がか。そうなんだ。でも今、半殺しにした所だよ?弱い奴に興味は無いんだ」
「ほんとだ……おじさん、目が逝っちゃってる」
「でしょ!」
このお兄さん、変わってるな。
「正当防衛じゃなければ、逮捕されてましたよ?
じゃ私、警察なんで後は任せて下さい」
「えー俺、君と闘ってみたいな」
「そうですか、ボクシングジムへどうぞ」
「どうしたら闘ってくれる?」
「大乱闘スマッシュしゃちくーズならいいですよ」
全国の社畜における、社畜の為のゲーム。
社長を相手に闘うゲーム。
「社畜の俺らが闘うゲーム?」
そう言って拳を握り締める、お兄さん。
そうだ!いけないわ、私ったら。
この人外人さんだった。
「ま、回答なんていらなかったんだけどね」
勢いよく殴りかかられる。
地面を強く蹴り、背中に重心をかけ後ろへ下がった。
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千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» 返信が遅くなり、すみません!!ご期待に添える自信はあまりないですが、書くのがすごく楽しいので頑張ります!! (2020年2月16日 23時) (レス) id: 88ef43b3c1 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごく好きです!(この作品も千さんも)(突然の告白) (2020年1月25日 23時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» すごく驚きました。すごく嬉しいです! (2020年1月25日 12時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» と思ったら1位だよ!!!!おめでとう!!!! (2020年1月19日 1時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごっっっ!!もう去年Aなってるんだよなぁ我。あ、関連作品ランキング2位おめでとう!!!!!! (2020年1月19日 0時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千の歌を歌う人 | 作成日時:2020年1月1日 1時