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異郷の地は土地勘がないから怖い ページ21

温泉へ行く日がとうとうやって来た。
朝早く、慣れない袴を着て覆面パトカーに乗り込む。
七、八人乗り込めるタイプのやつ。それが四台分。

今回は1、6、7番隊の三隊が任されている。


「隊長、スイカはおやつに入りますか?果物だからいいですよね」

「果物はおやつじゃねぇ!!」

「そうだ!そうだ!」


信じられない。みんなレベルが低すぎる。


「西瓜は畑で獲れるんだよ?!野菜でしょ」

「まぁ、まぁみんな落ち着いて。メロン持ってきたから。メロンは少なくとも野菜ではないでしょ?」


と黒ちゃん。でも。


“「はぁ?メロンとかないわ〜」”


「何、いきなり一致団結してんの!?」




「沖田隊長…7番隊、大丈夫ですか?」

「隊長があれだからねェ」


聞こえた隊長の声に振り返れば、目が合った。でも、すぐに逸らしてしまったのを後悔してる。

でも、戦場に私情を持ち込むつもりは一切ない。


かつて、騙され殺された隊士がいた。一瞬が命取りの戦場。私の指示が疎かになれば、他の隊士にまで被害が及ぶ。
頬を一度、強く叩いて気持ちを切り替える。



「あの旅館です。明日の夜、攘夷浪士が宿泊するのは最上階の全室。旅館から、ある程度の建物の破壊許可は得ています」←あんぱん

「そうですかィ。ストレス発散にぶっ放すか」

「やめてください、旅館が吹っ飛びます!!」




私達が泊まるのは一階下の五階。
それで問題が部屋割り。三部屋。つまり、一隊付き一部屋なんだ。


「私のことなら平気だよ」

「違いますよ。僕達、隊長と一緒だと安心して眠れないんで」

「えっ……今少し、優しいと思ったけど貶してるよね?いじめだよね?泣くよ、泣いちゃうよ」


結局、私以外の九人は分かれて他の部屋に行った。前の討ち入りもそんな感じだった。

部屋に入って、カーテンを開けると山並みと温泉街が目に入った。綺麗だなんて、考える余裕もなくて。
窓際の椅子に腰をかける。


さっき、隊のみんなが散歩に誘ってくれたが、断ってしまった。今思えば、行けば良かったなんて。



「外に出よう」


今なら、まだ会えるかもしれないし。

歩き出して思った。袴って歩き辛い。それに草履は違和感しかない。
頭の中はと言えば、沖田隊長は今何してるんだろう。そればっかりで。


だけど旅行に来たわけじゃないから、散歩に誘うのも変かななんて、異郷の地だからか勇気が湧かない。

本当はただ断られるのが怖いだけ。




一応の時の為、短剣を着物の内側に携える。

人生は計画より実行→←刺激的な日々の中、育む愛



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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 真選組   
作品ジャンル:恋愛
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千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» 返信が遅くなり、すみません!!ご期待に添える自信はあまりないですが、書くのがすごく楽しいので頑張ります!! (2020年2月16日 23時) (レス) id: 88ef43b3c1 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごく好きです!(この作品も千さんも)(突然の告白) (2020年1月25日 23時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» すごく驚きました。すごく嬉しいです! (2020年1月25日 12時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» と思ったら1位だよ!!!!おめでとう!!!! (2020年1月19日 1時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごっっっ!!もう去年Aなってるんだよなぁ我。あ、関連作品ランキング2位おめでとう!!!!!! (2020年1月19日 0時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千の歌を歌う人 | 作成日時:2020年1月1日 1時

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