Over Night

017 ページ17

戸惑うAの手を引き
自室に戻った。



リビングの窓際にAを立たせ

カーテンに手を掛けた。






勢いで連れて来たものの


この景色を見せた所で
Aがどんな反応をするのか

今更不安が過った。





「いい？




　…3 …2 …1





　ほらっ」









「…！」







大きく開いた瞳が輝いていた。



…良かった。





後ろからAを抱きしめれば

腕に頭を預けるA。



「…18階、ずるい」

「Aの部屋とは向きも違うからな」








「広臣」






「ん？」






「…ありがと」



「どういたしまして？」







どうせなら。


勢いでもいいから、

成り行きでもいいから、



このまま俺の女になってくれればいいのに。




「ねぇ」

「ん？」

「…苦しいんですけど？」

「そ？」




無意識に力が入っていた。




「ねぇ。苦しい」

「だったらそろそろ、こっち見てくれる？」





Aの身体をこちらに向ければ


俺を見上げる

潤んだ瞳。





あぁ、ダメだ。

今日はそんなつもりじゃなかったのに。





「…っ、力入れられたら振り向けないでしょ？」

「…確かに」




やっぱり、だめだ。




「A」

「ん？」




「抱いていい？」







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