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ランチから戻った私は
ロッカールームで軽くメイクを直し、いつもより強い色味のリップを引いた。


その色が似合う女性になりたいと
精一杯背伸びして買ったこのリップ。



美鈴さんに近づけた気がしたけど、

やっぱり私にはまだ早い気がして、
いつもリップに塗り直した。







フロアに戻ったら
デスクの周りが賑わっていた。


正確に言うと、私の向かいのデスク。


女性社員に笑顔を振りまく広臣の姿に
思わずため息が出た。


「騒しくなりそうね」
「美鈴さん、席、変わってくれません?」
「お断りします」


渋々着席すれば横目で私を確認し、

口角を上げてにやりと笑う広臣。

悔しい程かっこいいその横顔に、腹が立つ。





昨夜の男が目の前にいるというだけでも
相当やりにくいのに、

普段このフロアに来ることがない人までもが顔を拝みにやって来て、集中力が散漫してしまった。


夕方からの会議で広臣が席を外したと同時に
人の流れは途絶え
ようやくいつものペースを取り戻した。


剛典に頼まれた書類とその日の作業を何とか終わらせ、

未だ会議中の広臣が戻る前に帰ろうと
慌てて支度をした。

「美鈴さん、お先します」
「ん、おつかれ」



足早に席を離れ、
エレベーターのボタンを無駄に連打していたら
人事部の南が私を見つけて飛んで来た。

「A!コフレ、解禁になったよ!」





年に一度の限定コフレ。

自分へのご褒美にと買ったそれをパウダールームで使って居たら、
隣り合わせた南がたまたま同じ物を使っていた事がきっかけで私達は仲良くなった。

解禁になった情報を南のスマホで確認しながら
一年の早さ感じていた。


まだ仕事が残っていた南と別れ
エレベーターに乗り込んでからも
コフレが気になって仕方がない。

パンフレットを貰いに行こうか考えながらエレベーターを降りたら

ふと視界に入ったその姿。




壁に寄りかかりながらスマホをいじる、いい男。




…なんで居るの

…会議は?




せっかく顔を合わせないように出て来たのに
ここで見つかったら水の泡。


見つからないよに気をつけながら
小声で受付に挨拶をして






…。




…。






あれ?


ちょっと待って。









この光景、









どこかで見た気がする…






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設定タグ:三代目 , 登坂広臣 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - ユキさん» ありがとうございます^^ライブは、このお話の030での登坂さん風に“ご想像で”です(#^.^#) (2020年1月27日 16時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 空さんのストーリー大好きです三代目perfectyearライブは観に行く予定はありますか?私は京セラ観に行きたいけど倍率凄く高いですね(´;ω;`) (2020年1月27日 12時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ユキさん» 楽しんで頂ければ幸いです^^ (2020年1月26日 19時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 三代目メンバーのストーリー大好きです(*ゝω・*) (2020年1月26日 17時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - shireyさん» ありがとうございます(^^♪ (2020年1月26日 13時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年1月18日 10時

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