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015 side H ページ15

「お疲れ。今日は上がっていいぞ」

「はい、お疲れ様でした」



本社での初会議は精彩を放っていた。

妙な充実感を覚えながらデスクに戻る途中

エレベータの前で話し込むAを見つけた。




悪戯心が顔を出す。


急いで荷物をまとめた俺は先廻りして
Aを待ち伏せる事にした。









懐かしいな。



2か月前、ここで見つけたA。

まさかこんな展開になるなんて
あの時の俺に教えてあげたい。






「相澤さん、お疲れ様」

「ひっ!!…お疲れ様です“登坂”さん」




あの時は視線で追いかけるだけだった。


「何で居るのよ!てか何で一緒に歩くのよ!」
「仕事終わったし?帰る場所一緒だし?」


でも今日は違う。


「腹減ったー!メシ、行かない?」
「嫌です。どーぞお一人で」


なんて言うけどさ。

どうせ家までの道のり、同じだよ?





どうにかAを言いくるめ

職場の近くは誰かに見られるかもしれないからと
マンションからそう遠くない居酒屋にやって来た。


「A、何飲む?」
「ウーロン…」


少しだけAの表情が曇った。


「ねぇ広臣…私潰れたら、運んでくれる?」
「3階に?18階に?」
「…3階に! 312号室だから!」

おどけた俺に笑顔が戻ったA。


出来れば18階がいいんだけど?

なんて思っていたら

昨夜の経緯をぽつり、ぽつりと話し出した。




「へぇ。そんで振られて俺と寝たって訳か」

「まさか同じ会社だなんて。メッチャやりにくい」

「まぁそう言うなって。今日は奢ってやるから好きなだけ食え?

「ホント?ラッキー!」





ラッキーなのは、俺の方だ。

そいつが裏切り行為をしていなければ、
こんな急速に
Aと深い繋がりを持つ事はなかったはずだ。








マンションまでの帰り道。




「きゃっ…」
「おっ…と、危ね」


ほろ酔いのAは足元が頼りない。


「ほら」


差し出した左手に
冷たくなったAの右手が重なり


指を絡めて繋ぎ直せば
照れた表情を見せたA。



それを隠すかのように
ブンブンと腕を振るAが子供みたいで

それでも手は握られたままで

少しだけ遠回りしたくなった。





マンションの通り道に差し掛かった時。

「…ん?誰か居ねぇ?」


外灯が照らす生け垣の前にぼんやり見えた人影。

「どこ?」


俺たちに気付いた様子のその人が

ゆっくり俺たちに身体を向けた。


「えっ…健ちゃん?」




あぁ。こいつか。



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設定タグ:三代目 , 登坂広臣 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - ユキさん» ありがとうございます^^ライブは、このお話の030での登坂さん風に“ご想像で”です(#^.^#) (2020年1月27日 16時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 空さんのストーリー大好きです三代目perfectyearライブは観に行く予定はありますか?私は京セラ観に行きたいけど倍率凄く高いですね(´;ω;`) (2020年1月27日 12時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ユキさん» 楽しんで頂ければ幸いです^^ (2020年1月26日 19時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 三代目メンバーのストーリー大好きです(*ゝω・*) (2020年1月26日 17時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - shireyさん» ありがとうございます(^^♪ (2020年1月26日 13時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年1月18日 10時

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