22 ページ22
.
「おや、どうなさったんで？」
何を読もうかと本棚を見ながら歩いていると、エミさんに声を掛けられた。どうやら資料を整理する部屋に居たらしくワタシはちっとも気付かなかった
『暇になったし、本を読んだ事がなかったから少し文字に慣れようかと思って』
書庫内に他の気配はなさそうなので、ここは普段エミさんの城なのだろう
「そうですか……おや、それは？」
にこやかに頷いてくれたエミさんはワタシの手を見ると不思議そうな声を上げた。ワタシの手には先ほどgloomyにもらった花束がある
『ああ…さっきgloomyにもらったんだ、どうにも出来ないから持っているだけだよ』
前にももらった事がありすぐしおれて捨ててしまった事を話すと、エミさんは心当たりがあるのか頷いてくれる
「せっかくもらったのにすぐしおれてしまいますもんね……そうだ、ドライフラワーにしてみるのはどうでしょうか」
『ドライ、フラワー？……聞いたことないな』
耳慣れない言葉を反芻するとエミさんは近くの本棚から本を出してくれた
本はどうやらドライフラワーの作り方が載った植物図鑑らしい
「確かレンジがあれば簡単にできるそうなので一寸やってみませんか？」
どうやらエミさんは作り方を知っているらしく、断る理由もないので手伝って貰うことにした
書庫に併設されている作業部屋にある簡易キッチンのレンジを借りてドライフラワーを作らせてもらう
花を皿に入れてレンジにかけるだけで良いそうなので案外簡単な作業だった
数分ほど待てばﾁﾝｯ♪と高い音と共にレンジが止まる
早速レンジを開けて中の皿ごと取り出されたドライフラワーを眺めれば微かに湯気が立っている
『………出来た？』
「ええ、少し熱いですが良い頃合いでしょう。完全に冷えればかなり長持ちするでしょうから、粗熱が取れるまで、良かったらお茶でもしながら少し喋りませんか？」
エミさんの言葉に頷くと彼は紅茶と洒落た茶菓子を出してくれたので、お言葉に甘えてのんびりさせて貰うことにした
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サキア(プロフ) - じゅーちょーさん» 了解しました、承諾します。等の意味で使ってます (2018年6月4日 0時) (
レス) id: 4b79983a16 (このIDを非表示/違反報告)
じゅーちょー - すみません。41の「Si」ってどういう意味なんですか？ (2018年6月3日 22時) (レス) id: 684c66f772 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルカ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/c9dc1e2182/
作成日時：2017年9月17日 2時
