【ぬらりひょんの孫】転生・・また転生（女主）

４５話 ページ47

あれから日は過ぎていき夏休み前日となった。
清十字探偵団の活動で依頼が入っていたが花開院さんの事が気になっていたので私は参加していない。
氷麗の話だと【邪魅ｼﾞｬﾐ】という妖怪と奴良君が盃を交わしたそうだ。
そして、氷麗に呼ばれ本家にやって来た私が目にしたのは同じ羽織りを身に包み騒いでいる妖怪達だった。

(……楽しそうですね。)
「あら？そこに居るのは…白猫のAちゃんじゃない。こんな所で立ってどうしたの？」
『若菜さん。…いえ、氷麗に呼びれて来たのですが何やら楽しそうに騒いでいるので眺めていました。』
「ふふ。その気持ち分かるわ。嬉しそうな顔見てると自分まで嬉しく感じるのよね。」
『はい。』

この方は奴良君の母親で人間だ。
とても若々しい明るい方で妖怪達からも慕われている。
最初は若菜様と呼んでいたのだが…

゛息子と同い年の子に様付はちょっと……若菜ちゃんなんてどう？゛
゛それもどうかと…若菜さんでも良いですか？゛
゛仕方ないわね。耳を触らせてくれたらいいわよ。゛
゛！？゛

あの後、妖怪の姿になりニコニコと耳を触られていると他の妖怪達もやって来て大変だった。
…くすぐったくて恥ずかしかった。

『皆が同じ羽織りを着ていますね。』
「あれはカラス天狗ちゃんがリクオや仲間たちの為にって作ってくれたものなの。Aちゃんの分もあるわよ。」
『なんと！』
「A！」

若菜さんからお茶を頂きながらのんびりとしていると氷麗が走ってやって来た。
手には黒の羽織を一枚持っている。

「ほら見て！皆お揃いの羽織よ。リクオ様派の結束を固めるためにカラス天狗が作ってくれたの！これはAの分ね。」
『ありがとうございます。…似合いますか？』
「「とっても似合ってる！」」

真っ黒な羽織りの背後には白で【畏】の文字が描かれている。
新人である私の分もあるとは思っていなかったので嬉しい。
嬉しいけど…

「それより…二人とも暑くないの？」
「私は雪女ですから冷気で常に快適です。」
『暑いッス。』

今は夏…日射しの強い夏なのだ。
氷麗が羨ましい…
暑いので脱いでいると奴良君がこちらにやって来た。

「篠原さんも貰ったんだね。…暑そうだね。」
『はい。…私は暑いのが苦手なので……夏なんて無くなればいいのにって本気で思ったことがあります。』
「…冬は？」
『好きですよ。冬といえばコタツですよね。つい寝ちゃうんですよ。』
(猫だ…)

コ〜タツの中でまっるくなる…にゃ♪

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