35話 ページ37
『あははははっ!!』
黒田坊さんにより飛ばされてきた子ぼうず達は私の体にくっつき脇腹などを擦りだした。
くすぐったくて仕方がない。
死闘が繰り広げられている中で笑いこけている私を周りの妖怪達はかわいそうな者を見るかの様な目を向けている。
その頃の上空では黒い羽が散りばめられていたのだが私はそれどころではなかった。
氷麗が頑張っているのに笑っている場合ではないと心の中で活を入れ、殺気込みの妖気を放出する。
『鬱陶しいぃぃ!』
「「!?」」
ゼロ距離から受けた子ぼうず達は気絶しポロポロと落ちていき、周りにいた妖怪達はその場を離れ警戒を強めた。
しかし、その警戒先はすぐに別に向けられていく。
目が見えないと騒ぐ者達がでてきたのだ。
「な、なんだ!?何も見えないぞ!」
「んだこりゃ〜!?」
「まさか…【夜雀】の仕業か!?なぜワシらまで!」
私や周りにいた妖怪達は何も変化はないがそれ以外の妖怪や野次馬の人間達は騒ぎ慌てている。
(人にまで被害が出始めましたね。…当たり前だけど…)
広い道路で戦っているとはいえ…両脇にて見物中の人達は当然被害にあっている。
申し訳ないが邪魔だ。
(下のコンクリートを使い過ぎると周りのビル等に影響が出てしまいますね。…ガードレール等も一緒に利用して薄い壁くらいなら…)
私は右側の歩行者通路の前まで行き両手を合わせ地面に勢い良く掌をついた。
瞬間、人と妖怪の間には眩い発光と共に高さ数m程の薄い壁が出来上がりお互いの姿が見えない。
もちろん、数10m先まで壁を作っている。
目を見開く妖怪達を無視し反対側へと向かう予定だったが…
「ぎゃあああっ!?」
「がぁあ゛っ!!」
『「!?」』
異様な叫び声にただならぬ不安を感じた私はすぐに【円】を使い進むと玉章の周りから妖怪達が次々に消えていくのが分かった。
そして…ここにいないはずの彼らまで近くにいる。
正直…血の気が引いた。
『そんな……なんで…』
「玉章様!おやめ下さい!!仲間に何を…っ!?」
『!』
逃げ惑う妖怪の間をくぐり抜け目にしたのは歌舞伎のような姿に面をつけ刀を振りまわす玉章に抗議している女性妖怪。
彼女に振られる刀は当たることがなかった。
何故ならギリギリの所で助けた人がいるからだ。
「なっ!?…い、犬神!?あんたどうして…」
「そんなことは後ぜよ!今すぐにここから離れろ針女!」
「!」
傷だらけの彼は仲間の血で身を染めている主をどんな思いで見ているのだろうか。
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SORA(プロフ) - 天井凪さん» こんばんは!今作品は鋼の世界からリボーンではない世界へ転生した場合の話なので残念ながらリボーンのキャラ達はでてきません(;・∀・)ちなみにリクエストがありましたリボーンの番外編を作成中だったりします(゚▽゚)話数の関係でカットとなった話ですが… (2016年6月28日 0時) (レス) id: df83dcc9c9 (このIDを非表示/違反報告)
天井凪 - ぬら孫ではリボーンキャラは出てこないんですか? (2016年6月27日 23時) (レス) id: e8b19dad5d (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 舞姫(プロフ) - SORAさん» ありがとうございます!おはあさんですか~。成る程。原作知識無いんですか~。あったらあったで面白そうだなと思って聞きました。原作知識があってもなくてもSORAさんの作品は面白いので今後も期待ですね! (2016年6月9日 23時) (レス) id: 4714cfa3bf (このIDを非表示/違反報告)
SORA(プロフ) - 雪月花 舞姫さん» 毎度ありがとうございます(^^)!今回の名字は私のおばあちゃんの名字をお借りしました。祖母との二人暮らしの設定に決めた時にふと、猫好きだったおばあちゃんを思い出しまして…(。・・。)カエマシタ あと夢主に原作知識はありません( ̄∇ ̄) (2016年6月9日 23時) (レス) id: df83dcc9c9 (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 舞姫(プロフ) - 新作おめです!ぬら孫、1ページ目からすでに面白かったです!この世界ではクロームポジションって氷麗なんですね。相変わらず面白いですよ!あ、質問です。名字、前は水野でしたよね?変わった理由が知りたいです。あと、ぬら孫の原作知識ってあるんですか? (2016年6月9日 22時) (レス) id: 4714cfa3bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SORA | 作成日時:2016年6月9日 18時