34話 ページ36
「え……!?な…何アレェェーー!?」
「うわぁぁ!ば…化物ー!?」
夜の街に人々の叫びが響いている。
それもその筈、道路の真ん中を多くの妖怪が我が物顔で歩いているのだから。
その最後尾ではAが静かに歩いている。
1番の新米である彼女は氷麗やリクオの誘いを断り自らこの位置を選んだ。
゛新米がいきなり大将や幹部達と同じ位置を歩くわけにはいきません。…大丈夫。戦闘が始まったらすぐに追いつきますから。゛
(…ああは言ったものの……双方ともにかなりの数ですね。すぐには無理かもしれない。)
群れが止まったその場所には【円】を使うまでもなく大量の妖気が溢れている事が分かる。
妖怪の数がそれだけ多いのだ。
(………やはりこれだけ離れていたら何も聞こえませんね。)
「若!?…何をしている!!リクオ様を止めろ!!」
『!?』
独特の緊張感が漂うなか聞こえてきたのは鴉天狗の慌てる声だった。
その声を合図に妖怪達は叫びながら前へと進み辺りは戦闘音や叫び声で一気に騒がしくなる。
Aも走り進むと上から鳥の妖怪3人が槍片手に飛んで来ているのが見え、すぐさま近くの先輩妖怪を踏み台に跳んでいく。
『しっ!』
「がっ!?」
「「!」」
鋭い蹴りで一人を倒し槍を奪い、近くにいたもう一人の鳥妖怪に向け投げつけた。
もちろん槍に妖気(オーラ)を纏わせていた為、相手の防具ごと体を貫通している。
「おのれ!!」
残りの一人は落下中のAに槍で串刺しにしようとするが増幅した密度の高い妖気を纏っている彼女には意味がなく刃先を握り潰された。
地面に着地したAは相手が体制を整える前に腹部へと蹴りを打ち込み、相手は他の妖怪を巻き込み飛ばされていく。
「やるじゃねぇか新人!」
『オッス!』
勢いづいた彼女は次から次へと襲ってくる敵を倒しながら進み中間地点へとやって来た。
途中、先頭方向から火柱が見えたAはリクオが戦っていると知り更にスピードを上げ進んで行く。
(…奴良君の近くには氷麗と玉章…もう一人いますね。私も急いで参戦しないと…)
「よおおし!やっとふりはらった〜!!」
『なあっ!?』
大きめの妖怪を拳で地面に叩きつけながらリクオ達のいる方向をチラ見していたAを襲ったのは【子ぼうず】の群れだ。
Aの斜め前にいた【黒田坊】が大量の武器でふりはらった者達で…飛んできたタイミングが悪く彼女の体には子ぼうず達がくっついて離れない。
『な、なんじゃこりゃー!?』
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SORA(プロフ) - 天井凪さん» こんばんは!今作品は鋼の世界からリボーンではない世界へ転生した場合の話なので残念ながらリボーンのキャラ達はでてきません(;・∀・)ちなみにリクエストがありましたリボーンの番外編を作成中だったりします(゚▽゚)話数の関係でカットとなった話ですが… (2016年6月28日 0時) (レス) id: df83dcc9c9 (このIDを非表示/違反報告)
天井凪 - ぬら孫ではリボーンキャラは出てこないんですか? (2016年6月27日 23時) (レス) id: e8b19dad5d (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 舞姫(プロフ) - SORAさん» ありがとうございます!おはあさんですか~。成る程。原作知識無いんですか~。あったらあったで面白そうだなと思って聞きました。原作知識があってもなくてもSORAさんの作品は面白いので今後も期待ですね! (2016年6月9日 23時) (レス) id: 4714cfa3bf (このIDを非表示/違反報告)
SORA(プロフ) - 雪月花 舞姫さん» 毎度ありがとうございます(^^)!今回の名字は私のおばあちゃんの名字をお借りしました。祖母との二人暮らしの設定に決めた時にふと、猫好きだったおばあちゃんを思い出しまして…(。・・。)カエマシタ あと夢主に原作知識はありません( ̄∇ ̄) (2016年6月9日 23時) (レス) id: df83dcc9c9 (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 舞姫(プロフ) - 新作おめです!ぬら孫、1ページ目からすでに面白かったです!この世界ではクロームポジションって氷麗なんですね。相変わらず面白いですよ!あ、質問です。名字、前は水野でしたよね?変わった理由が知りたいです。あと、ぬら孫の原作知識ってあるんですか? (2016年6月9日 22時) (レス) id: 4714cfa3bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SORA | 作成日時:2016年6月9日 18時