2話 ページ4
更に時は過ぎ中学生となったある日の午後。
私は祖母の前で見事な土下座をしている。
理由は…
『お願いします!ちゃんと世話も躾もしますから!』
「だめじゃ!只でさえお前は【バイト】に修行、勉学と忙しいのに【犬】の世話など…身体を壊してしまうじゃないか!」
『何をおっしゃいます!そんな私だからこそあの子は癒やしとなるんです!モフモフしたいんです!』
「モフモフ!?」
なかなか首を縦に振らない祖母に私は最後の切り札となる条件を伝えた。
『癒やされれば私は更に元気になります。…つまり、いつもの【極楽マッサージ】を30分延長する事も可能となります。』
「よしきた!飼うことを認める!」
『ありがとうございます!』
バンザーイをして喜んだ私は犬を預かってくれている女の子に電話で報告をした。
相手も喜んでいる。
『では、明日にでも迎えに行きますね。』
「はい!待ってますねA。」
翌日、待ち合わせの公園に向かうと女の子と黒い子犬が仲良く遊びながら待っていた。
声をかけると素敵な笑顔で挨拶をした彼女は同級生の【及川 氷麗】だ。
長い黒髪と大きな瞳で常にマフラーをしている彼女はメラ可愛い!
そんな彼女と川に捨てられていた子犬を発見したのが先日の事だった。
「おばあさんが許してくれて良かったですね。」
『はい。…この子は今日から篠原家の家族です。よろしく【クロ】!』
「わん!」
抱き上げると子犬は元気よく返事を返した。
その後、預かってくれていたお礼としてアイスを買いベンチに座りながら一緒に食べている。
『にしても…まだ冷えますね。』
「そう?私は平気だけど…冷えるのにアイスは食べるのね。」
『えへ。』
冷たい風が吹くなか嬉しそうに食べる彼女は妖怪だ。
この世界での念は漫画よりも優秀で【凝】を使うと妖怪のオーラは【黒】に見えるのだ。
理由は分からないが彼女は人に化けて学校に通っている。
私も半妖だとは教えていない。
妖怪となれば能力が倍以上になり、身体能力も上がるが…それはいざという時の最終手段として取っておきたいので祖母とバイト先の人以外には内緒にしている。
『そういえば…氷麗はどこに住んでいるんですか?』
「え?…えっとぉ……この先かな?」
慌てながら北の方を指差す彼女を見て私は心の中で萌えていた。
そんな私を見てクロは不思議そうにしている。
『…やはり氷麗は私の天使ですよ。』
「て、天使!?」
親指を立てて言うと顔を赤くする氷麗はやはり可愛かった。
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SORA(プロフ) - 天井凪さん» こんばんは!今作品は鋼の世界からリボーンではない世界へ転生した場合の話なので残念ながらリボーンのキャラ達はでてきません(;・∀・)ちなみにリクエストがありましたリボーンの番外編を作成中だったりします(゚▽゚)話数の関係でカットとなった話ですが… (2016年6月28日 0時) (レス) id: df83dcc9c9 (このIDを非表示/違反報告)
天井凪 - ぬら孫ではリボーンキャラは出てこないんですか? (2016年6月27日 23時) (レス) id: e8b19dad5d (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 舞姫(プロフ) - SORAさん» ありがとうございます!おはあさんですか~。成る程。原作知識無いんですか~。あったらあったで面白そうだなと思って聞きました。原作知識があってもなくてもSORAさんの作品は面白いので今後も期待ですね! (2016年6月9日 23時) (レス) id: 4714cfa3bf (このIDを非表示/違反報告)
SORA(プロフ) - 雪月花 舞姫さん» 毎度ありがとうございます(^^)!今回の名字は私のおばあちゃんの名字をお借りしました。祖母との二人暮らしの設定に決めた時にふと、猫好きだったおばあちゃんを思い出しまして…(。・・。)カエマシタ あと夢主に原作知識はありません( ̄∇ ̄) (2016年6月9日 23時) (レス) id: df83dcc9c9 (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 舞姫(プロフ) - 新作おめです!ぬら孫、1ページ目からすでに面白かったです!この世界ではクロームポジションって氷麗なんですね。相変わらず面白いですよ!あ、質問です。名字、前は水野でしたよね?変わった理由が知りたいです。あと、ぬら孫の原作知識ってあるんですか? (2016年6月9日 22時) (レス) id: 4714cfa3bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SORA | 作成日時:2016年6月9日 18時