14話 ページ16
階段まで戻り私は氷麗の足を簡単ではあるが応急措置を施していた。
残してきた彼が気になるようで彼女の視線は森の方を向いている。
安心させる為に【円】を使い状況を教えてあげると…
『気配が完全に妖怪のものへと変わっています。相手は弱っているのでこのままいけば奴良君の勝利ですよ。』
「本当に!?………そっか…良かった。」
氷麗の顔から険しさが無くなり私もホッと一安心だ。
しかし、神経を酷使する【円】を何度も使用した事もあり頭がクラクラする。
そんな私の様子に気づいた氷麗は心配をしてくれた。
「どうしたの?…まさかどこかに怪我を!?」
『ははは…違いますよ。前に話した【念】の応用技の【円】を使い過ぎて頭がクラクラするだけです。』
「!…ちょっと待ってて!」
『?』
氷麗は草むらに横になるように言ってリュックを枕として置いてくれた。
中には氷でも入っているのか固く冷たい。
そして、額の上にも巨大な氷を作り乗せてくれたが…オーラを纏い防御力を上げていなければ頭が潰れていた気がする。
『ぁあ〜……ヒンヤリしてて気持ちいいです。ありがとう…氷麗。』
「ふふふ。これくらいなら任せて。」
それから数分と経たずに階段を降りてきている人物がいた。
警戒しようとしたが氷麗が彼の名を呼び、誰か分かったので横になったままでいる。
「リクオ様!!」
「…足は大丈夫なのか?」
「はい!Aが止血もしてくれましたから……ご無事で…本当に良かったです。」
声の感じからして氷麗が涙ぐんでいるのが分かる。
そんな彼女に奴良君は優しく話しかけていた。
そして…
「ところで…アレはどういう事だ?」
「え?…あれは頭がクラクラするというので私の氷で冷やしているんです。」
「冷やすって……やり過ぎだろ。」
ごもっともだが…私には【念】があるから大丈夫だ。
それよりも氷麗が人間の姿とはいえ妖怪の奴良君としている会話は私が聞いてはならない内容なので寝たふりをしている。
「……………。」
「リクオ様?」
「いや、何でもねーよ。…それよりオレは行くとこがある。お前は【A】と一緒に別荘に戻れ。」
「!」
彼はそう言って来た道を戻り始めた。
彼の姿が見えなくなると氷麗は私の隣りに座り軽く息を吐き…
「リクオ様ったら…日に日に頼もしくなられて……私も側近として頑張らなくては!」
『おお!いつもの氷麗ですね!一途に頑張る姿がメラ可愛いですよ!』
「起きてたの!?」
『イエス!』
〜続く〜
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SORA(プロフ) - 天井凪さん» こんばんは!今作品は鋼の世界からリボーンではない世界へ転生した場合の話なので残念ながらリボーンのキャラ達はでてきません(;・∀・)ちなみにリクエストがありましたリボーンの番外編を作成中だったりします(゚▽゚)話数の関係でカットとなった話ですが… (2016年6月28日 0時) (レス) id: df83dcc9c9 (このIDを非表示/違反報告)
天井凪 - ぬら孫ではリボーンキャラは出てこないんですか? (2016年6月27日 23時) (レス) id: e8b19dad5d (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 舞姫(プロフ) - SORAさん» ありがとうございます!おはあさんですか~。成る程。原作知識無いんですか~。あったらあったで面白そうだなと思って聞きました。原作知識があってもなくてもSORAさんの作品は面白いので今後も期待ですね! (2016年6月9日 23時) (レス) id: 4714cfa3bf (このIDを非表示/違反報告)
SORA(プロフ) - 雪月花 舞姫さん» 毎度ありがとうございます(^^)!今回の名字は私のおばあちゃんの名字をお借りしました。祖母との二人暮らしの設定に決めた時にふと、猫好きだったおばあちゃんを思い出しまして…(。・・。)カエマシタ あと夢主に原作知識はありません( ̄∇ ̄) (2016年6月9日 23時) (レス) id: df83dcc9c9 (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 舞姫(プロフ) - 新作おめです!ぬら孫、1ページ目からすでに面白かったです!この世界ではクロームポジションって氷麗なんですね。相変わらず面白いですよ!あ、質問です。名字、前は水野でしたよね?変わった理由が知りたいです。あと、ぬら孫の原作知識ってあるんですか? (2016年6月9日 22時) (レス) id: 4714cfa3bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SORA | 作成日時:2016年6月9日 18時