165話 ページ17
人々を巻き込まないようにと人通りの少ない道を進み、戦うこと数時間…三人はようやく浮世絵町へと戻ってこれた。
車は故障したが追っては全てAにより倒され、三人は束の間の休息に入る。
清継が真ん中で車を背に座る三人、沈黙が流れ続け最初に口を開いたのは精魂尽きた門口だ。
「あ、あの…坊っちゃん?説明してもらってもいいですか?」
「え?……ああ!そうだったね。ごめん…忘れてたよ。」
『…私からも話をしましょう。』
二人はここまでしてくれた門口に隠すことなく話していく。
力なく聞いていた彼は、清継が危険な事に首を突っ込んでいた事を聞き顔色が更に悪くなっていた。
しかし、清継の友や人々を助けたいという想いの強さを知り思わず笑みが浮かんでいる。
゛門口さん!妖怪は本当にいるんだよ!ボクを助けてくれた主はすっごくカッコよくてね!それで…゛
思い出すのは幼かった清継がバスの事故以来、話す…目を輝かせ話す小さい彼の姿。
信じていなかった門口だが、嬉しそうに話す彼が可愛くて毎日のように話を聞いていた。
その話が全て本当なら…清継の言う友は門口にとって家族の…主人の恩人という事になる。
「………この後も行かれるのですか?」
「もちろんさ!門口さんはすぐにでも家に「私も行きます。」…え?」
『…危険ですよ。』
真剣な目で訴えるAに門口は苦笑し、彼女の頭に手を置いた。
「それは君も同じだろ?…それに運転できる俺が居た方が速くに仲間と合流できるよ。」
『一人称…坊っちゃんの時とは違うんですね。』
「そりゃあ、坊っちゃんは俺の大事な主人だからね。…運転手として最後まで送り届けるよ。」
『愛されてますね…坊っちゃん。』
「嬉しいけれど!君までそう呼ばないでくれ!」
赤くなる清継をネタにする事、数分後に三人は近くでレンタカーを借り再び進む。
電波も回復しているが、既に学校は終わっている時間にも関わらず誰も出ない。
代わりにネット上では妖怪に襲われる人々の様子やリクオの動画や書き込みで溢れていた。
リクオが妖怪へと…自身の憧れた主へと変わっていく様子を動画で見た清継は感情を抑えられないようだ。
「やっぱり…奴良くんが……っ!皆は何を見てるんだ!彼は家長くんを…人々を守っているじゃないか!なのに…」
『恐怖のどん底にいる人々に冷静な判断は無理です。彼の事を知っている私達と違って、彼らには同じ敵にしか見えないんですよ。』
焦りながらも彼らは悲惨な現場へ向かう。
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堕天使魔夜降臨(プロフ) - SORAさん» 犬神のツッコミは聞く事だけだったとかw……((苦笑) (2017年4月9日 11時) (レス) id: d184e113ad (このIDを非表示/違反報告)
SORA(プロフ) - 訂正します。【犬神さん】も生きてます(;・∀・) (2017年4月8日 22時) (レス) id: 67b18231a4 (このIDを非表示/違反報告)
SORA(プロフ) - 堕天使魔夜降臨さん» 狒々様も亡くなっております。百物語組編まで進んでいますが…亡くなる筈の方で生きているのは【針女さん】だけですね(゚▽゚) (2017年3月28日 21時) (レス) id: 67b18231a4 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使魔夜降臨(プロフ) - SORAさん» 鯉伴様はもうこの世に居なくなり狒々様はどうなったのじゃ? (2017年3月28日 8時) (レス) id: d184e113ad (このIDを非表示/違反報告)
堕天使魔夜降臨(プロフ) - SORAさん» おい!コラwwクロの技をポケモンの技にする?! (2017年3月28日 8時) (レス) id: d184e113ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SORA | 作成日時:2016年12月25日 21時