第38話 ページ43
血だらけの重傷である獄寺君は綱吉の心配をしている。
だが、私達は彼が心配でならない。
「無事で…よかった……ちょっと慌てたんで車に何度かひかれまして」
「なにそれーー!?」
『何度か!?』
「あ…これ…みまい…ッス。すいません。白いバラだったんスけど…」
((真紅だーー!!))
色々なショックで私達の血の気は引いていく。
綱吉など涙を流しながら花を受け取っていた。
「お医者さんに診てもらった方がいいよ獄寺君…!」
「平気ッスよ、これくらい!」ニカッ
山「ムリすんなって…」
『看護婦さん…今から彼の治療をお願いします』
「わ、わかりましたわ」
獄寺君を連れて行こうとした矢先、部屋の扉と共に多くの看護婦さん達が倒れこんできた。
「何ですかあなた達!」
「主任ばかりズルいですよ!一人で目の保養して!」
目の保養…この血だらけのどこにそんなものがあるというのか。
この後すぐに獄寺君は治療のために看護婦さん達に連れていかれた。
山本君は家の手伝いが残っているので帰宅…知らない男の人はいつの間にかいない。
そして、私達は次の部屋前まで案内されたところだ。
「では私は……これで」
ある患者さんと相部屋とだけ説明があり、看護婦さんは挙動不審のまま去って行った。
『嫌な予感しかしないですね』
「…確かに」
私達の予感は見事に的中してしまう。
部屋の中にいたのはなんと…
「やあ」
「ヒバリさん!うそー!?え!?なんで病院に!!」
「風邪をこじらせてね。退屈しのぎにゲームをしてたんだが、みんな弱くて…」
「んなーー!!」
床に転がるは人…人…綱吉の顔色は更に悪くなる。
逆に雲雀は楽しそうだ。
「相部屋になった人にはゲームに参加してもらっているんだよ。ルールは簡単だ。僕が寝ている間に物音をたてたら【咬み殺す】」
「一方的ーっ!?ってか病院じゃありえない状況だー!……あ、あの僕もうすっかり良くなったんで、たっ…退院します!」
『無理ですよ綱吉』
「その通り。君達はこのまま参加しなさい」
「え!?…どうしたのA!?てか誰その人!!」
白衣の男性に首根っこ掴まれた私は半泣き状態で説明をした。
『条件反射で逃げようとしたら院長に捕まりました…このゲームは病院ぐるみなので強制参加だそうです』
「逃げてたの!?てか病院ぐるみなのー!?」
「やあ。水野A…今回は逃げれなかったんだね」
『…はい』
「じゃあ、そろそろ寝るよ。ちなみに僕は葉が落ちる音でも目を覚ますから」
『「なっ!?」』
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作者名:SORA | 作成日時:2015年3月3日 22時