第二十九話 再開…？ ページ29
「え…？」
思わず立ち止まる。
うん、るぅとだ。
るぅとだ。
るぅと！？
はっと現実世界に戻ってきたときには、るぅとはもうすでに横断歩道を渡り終わっていたようで、信号が点滅していた。
走って横断歩道を渡る。
ゆっくりと点字ブロックに沿って歩いていくるぅと。
杖で床を確認しながら。
「るぅと！！」
大きめの声で呼ぶと、彼はびっくりしたように肩を震わせて僕の方を振り返った。
る「え、ころん先生……？」
信じられないという顔でこっちを見つめる。
白く濁ったような彼の目。
「うん、僕だよ。」
はっきりとそう答えると、嘘でしょ…最悪の展開じゃん。なんて小声でつぶやくのが聞こえた。
同時に、見えないはずのその目で僕のことをきっと見据えて
る「どうしてここにいるんですか。」
と聞いてきた。
それはこっちの台詞だよ、僕はただの散歩と返す。
「で、お前は？」
る「あっちの病院でリハビリすることになったんで、病院に伝えに来ました。」
なるほどね。
怒りを露わに、るぅとくんに問う。
「お前、なんで抜けたの。
生きがいだっただろ？
活動がさ。」
る「疲れたからです。
活動やめたおかげで、悠々自適に暮らしてますよ？」
と笑っていった。
嘘だね。
だって、活動で寝れなかったときとかよりもやつれてるし。痩せてるし。
指摘すると、悔しそうに唇を噛んだるぅと。
否定しないと言うことは、そういうことなんだろう。
そのままぐっと僕のことを睨みつけた後、るぅとはいきなり慌てだした。
る「てか、今何時ですか？」
５時半だよと返すと、新幹線間に合わない…と絶望するるぅと。
タクシー捕まえれば？っていったら、見えませんと泣きそうな声で言われた。
「じゃあ、僕が連れてってあげるよ。」
る「……お願いします。」
タクシーの中で話を聞くと、るぅとの実家へは新幹線で帰る予定らしい。
もうチケットも買ってあるのに、と焦っていた。
ただ、点字ブロックを確認しながらじゃ間に合わなかったので、そこはありがとうございますとつっけんどんに言われた。
そんなこんなで新幹線の駅についた。
じゃあ、ありがとうございましたなんてさようならをしようとする彼に、僕は今さっき買ってきた新幹線のチケットを触らせた。
あいつは全てを理解したようで、
る「いや、来ないでください。
迷惑ですよ！？」
と慌てて止めたが、そんなのお構いなしに僕は車両へと乗り込んだ。
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ましろ@逃避行(プロフ) - そらさん» そうです、pixivも漁らせて頂いてます🙇最新作の無人島のお話特に大好きで永遠リピしている者です(笑)最近は温度差が激しいので熱中症には気をつけて頑張ってくださいね💪 (7月21日 16時) (
レス) id: 90eb321d07 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - しゃんさん» あれ、pixivの方も見てくださってる方ですか、、、？ありがとうございます笑 (7月19日 14時) (レス) id: 471c34c153 (このIDを非表示/違反報告)
しゃん(プロフ) - わわ、めちゃくちゃ好きです...こちらのサイトも文才が神っていて拝ませていただいています。どちらのサイトも応援しています。 (2023年2月4日 21時) (レス) @page12 id: 89ee40fd7b (このIDを非表示/違反報告)
そら。 - 菜乃さん» 非ログインからお送りします〜 眼科じゃなくて黄くんは目医者って言っててほしいなと思っての目医者です！ 今は別のサイトで活動中で、この作品駄作中の駄作だなとか思って見返してたのですが、面白いなんて嬉しいです！！ (2021年6月5日 1時) (レス) id: 67949caf86 (このIDを非表示/違反報告)
菜乃 - 目医者じゃなくて、眼科ですよ〜！おもしろいです！ (2021年5月29日 14時) (レス) id: b3dc4b2f8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そら。 | 作成日時：2021年1月16日 23時
