�次ゲ�物のための蘇生薬 ページ10
＊
『次の��更新��で、漸く安定したシステムが完成しそうだ。』
いつかの夜。珍しく顔に疲労の色を滲ませたマスターは、食堂に一人残っていた僕へそう声をかけた。
『更新』。マスターの言うそれは、『この世界』をより良くする為のもの。それにより、適合しなくなるファイター達が此処を去ったり、調整の為に一時離脱する事もあれど、『更新』が終わった後の試合は身体の軽さが違う。であればやはり、それは必要な事なんだろう。
『…今までは、安定していなかったという事かな。』
マスターの目が此方を向く。微かに隈を作った目元は、何かを見定めるように僕の目を見つめていた。
『うん、まあ─そうだね。細かな更新で、騙し騙しやってきた事を否定するつもりは無いよ。…ただ、今回の更新は苦肉の策でもあった。もしもの事があれば、致命的な弱点になり得てしまうからね。』
『もしかして、��フィギュア��と関係が？』
『…へえ。まさか、知っていたとは。』
すう、と細められた瞳は蛇に似ていた。蛇口から垂れた雫が、ステンレスのシンクに跳ねて微かな音を立てた。
『知っているなら話が早い。…フィギュア状態のファイターは、限りなく特殊な事例を除いて存在を脅かされることが無い。─けれど、』
『…��復活させるという意志を持って第三者が台座に触れない限り、半永久的にその活動が再開することは無い��。』
『─そこまで知っているんだね、キミは。』
お手上げだ、というようにマスターが肩を竦める。何時からかは見当もつかないが、僕に対し何か思うところがあったのか、驚く素振りも無かった。
『けど─ああ、その通り。つまり、仮に��もしもの事態��が起こり、私の力が及ばず全ファイターがフィギュア化してしまった場合…』
─『この世界』は、その機能を失うだろう。
それは、『前の世界』でもマスターから聞いていた事だった。
『─まあ、そんな事は勿論起こさないさ！キミ達強者と闘える事は、私にとっても非常に良い刺激だからね。』
こう見えて、実は1番楽しんでいるんだよ─言って、マスターは本当に楽しそうに笑ったのだ。
＊
「─ん。」
体が、妙に重い。いつの間にか眠ってしまっていた様で、回した首がぱきりと音を立てた。
「…夢、か。」
砂埃を取り払い、立ち上がる。
何故、今更になってこんな夢を見たのか。理由は不明なれど、いい予感はしなかった。
土埃に覆われた、黄色の空を見上げる。太陽は未だ、その姿を砂塵の向こうに隠していた。
▼ Story1「立ち上がる為の話」→← �察ビ涵个垢襯▲�アマリン
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チイチ(プロフ) - suwaroさん» こんにちは！来ちゃいました、続編に…！またコメント下さって本当に嬉しいです、有難うございます！頑張らせて頂きますので、どうぞ宜しくお願いします！ (2019年11月21日 20時) (
レス) id: a34c130848 (このIDを非表示/違反報告)
suwaro - 続編キター！これからも頑張ってください！ (2019年11月21日 6時) (レス) id: 1a4b63d778 (このIDを非表示/違反報告)
チイチ(プロフ) - Mirai atさん» こんにちは！続編でもコメント頂けてとても嬉しいです…！有難うございます！ これからバンバン更新していきますので、またよろしくお願いします！ (2019年11月18日 23時) (レス) id: a34c130848 (このIDを非表示/違反報告)
Mirai at(プロフ) - ついに続編ですね!更新待ってまーす。 (2019年11月18日 15時) (レス) id: 86ab96dee6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チイチ | 作成日時：2019年11月16日 1時
