IV．周回遅れどころじゃない ページ33
─あーあ。最悪だなぁ、ホントに。
表情を歪めながら、カービィは内心酷く苛立っていた。クリーム色の雲海に放り出された身体はぐんぐんと重力に任せて降下していく。視界の先に、ほんの豆粒程の大きさになるまで遠ざかったハルバードを捉えると、風に煽られながら大きく溜め息を吐いた。
存外近づいてきたハルバードにワープスターを叩きつけてしまって、結果的に艦上に放り出されたのまでは良かった。どっちみち、艦の持ち主に対して言いたいことがあったからだ。
けれど、まさかそこから更に吹き飛ばされ、艦から落とされるとは─流石の星の戦士にも予想がつかなかったのである。
ワープスターは、普段の試合で自分から呼び出して使うことは無い。これは言わば、試合外のみでカービィに許された《
マスターは各ファイターに幾つか、こうした特例を許しているものの…《特例》というだけの事はあり、それらは1度使えば暫く制限が掛かる。《特例》の種類につきその制限期間は異なるが─中でもカービィのワープスターは
つまり─打つ手無し。
─ああ。本当に、さいあく。
まあ、落下の衝撃については、空中戦を普段から得意とする自分が今更焦ることは何も無いので割愛する。けれど、ゼルダは─少し不安になりながら隣を落下する姫へチラリと視線を向けたカービィは、彼女が緊張の表情を浮かべながらも着地に備えて魔法発動の構えを取っているのを見て、その必要は無かったと思い直した。
彼女には『ネールの愛』という防御の魔法、そして更に言えば『フロルの風』という転移の魔法があるのだ。着地くらいお手の物だろう。
「……キリィ、」
こんな時でも、カービィの脳裏に過ぎるのは親友の彼の事だった。あの子は、こんな風に理不尽な目に遭ったりはしていないだろうか─ああいや、もう酷い目には遭ってるんだった。こんな事をしてる場合じゃ無い、早く助けに行かないと。…そう焦る心に、現実はついてきてくれない。
どうして。ただ会いたいだけなのに、何で。今回も自分の味方をしてくれないらしい運命を、カービィは心の底から呪った。
「カービィ、さん！無事ですか！？」
「─何とか。これからどうしよっか。」
手を掴まれて、ゼルダの方へ引き込まれる。
着々と近づく地面とは裏腹に離れていくように思える彼との距離が、カービィには酷く寂しかった。
(─ねえ。どうして、)
�后ゥ�ムとチョコレートの不和→← �掘ゥ瓠璽如次⇒邁爾靴泙后�
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チイチ(プロフ) - suwaroさん» こんにちは！来ちゃいました、続編に…！またコメント下さって本当に嬉しいです、有難うございます！頑張らせて頂きますので、どうぞ宜しくお願いします！ (2019年11月21日 20時) (
レス) id: a34c130848 (このIDを非表示/違反報告)
suwaro - 続編キター！これからも頑張ってください！ (2019年11月21日 6時) (レス) id: 1a4b63d778 (このIDを非表示/違反報告)
チイチ(プロフ) - Mirai atさん» こんにちは！続編でもコメント頂けてとても嬉しいです…！有難うございます！ これからバンバン更新していきますので、またよろしくお願いします！ (2019年11月18日 23時) (レス) id: a34c130848 (このIDを非表示/違反報告)
Mirai at(プロフ) - ついに続編ですね!更新待ってまーす。 (2019年11月18日 15時) (レス) id: 86ab96dee6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チイチ | 作成日時：2019年11月16日 1時
