IV．灯り無き夜道のように ページ15
「こ、のぉっ…！2人を、離してッ！！」
ぎぃん、と低い金属音。ファイナルカッターを籠を持つボスパックンの手に叩き付けたと思ったがしかし、それは見事に鉄籠そのもので防御されていた。籠越しのゼルダの不安げな瞳と僅かに視線が絡まり、直ぐに離れる。
びりびりと痺れるような感覚が手に伝うのを、カービィは無理矢理拭い去る。もう長いこと対峙している目の前の化け物は、まだまだ元気が有り余っている様だった。
「─ッなに…っう、わあぁっ！？」
目の無いソレは、決して盲目という訳では無いらしい。巨体に似合わず存外高く飛び上がったソレの着地点に運悪く足を止めていたカービィは、大きく吹き飛ばされてフィールドへ叩き付けられながら、少しくらい手加減しろ、と苦々しい思いで身を起こす。
「いつまでも…調子に、乗るなぁッ！！」
─結果として、本体ではなく鉄籠ばかりを叩いていたのは正解だったと言えた。どれほど体力があるかも分からない化け物と違い、鉄籠のうち、偶然にも叩く回数の多かったゼルダの入った籠の方が、今の一撃でもって完全にヒビ割れ、砕け散った。
同時に、渾身の力を込めたハンマーの一撃は、残っていたボスパックンの体力をも削り取った。聞くに堪えない悲鳴を上げながら、巨体が震え、激しく爆発する。
砕けた籠から飛び出したゼルダは、そのままカービィの横へ降り立つ。感謝を述べたゼルダにカービィも手短に言葉を返すと、未だ姿の見えないもう1人の姫を呼んだ。
「─ピーチ！大丈夫！？」
正直な所、もう身体を動かすことすら億劫だったが、そうも言っていられない。あちらは籠からの救出が間に合わなかったのだ。もうもうと立ち込める土煙の中、桃色の衣は見えない。
もしかして、フィギュアに─嫌な予感がして、カービィは駆け出そうとする。だが、それは下卑た笑い声に止まることとなった。
「─ウワッハッハァッ！！オレ様参、上！」
「ワリオ…！？どうして…」
一体どこから現れたのか─ゴーグルの付いたヘルメットに袖無のデニムジャケット、ピンクのジーンズと、これだけで十分に個性的な巨体の男が、それに見合った黒いキャノン砲の様なものを携えてフィールドへ降り立った。
見覚えのあるその姿に、カービィは内心酷く驚く。彼自身は確かに良い性格という訳では無かったが、敵に回ったことなど例の事件以外なかったからだ。
見覚えの無い男に、ゼルダが警戒をあらわにする。対峙する３人の間には、緊迫した空気が流れた。
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チイチ(プロフ) - suwaroさん» こんにちは！来ちゃいました、続編に…！またコメント下さって本当に嬉しいです、有難うございます！頑張らせて頂きますので、どうぞ宜しくお願いします！ (2019年11月21日 20時) (
レス) id: a34c130848 (このIDを非表示/違反報告)
suwaro - 続編キター！これからも頑張ってください！ (2019年11月21日 6時) (レス) id: 1a4b63d778 (このIDを非表示/違反報告)
チイチ(プロフ) - Mirai atさん» こんにちは！続編でもコメント頂けてとても嬉しいです…！有難うございます！ これからバンバン更新していきますので、またよろしくお願いします！ (2019年11月18日 23時) (レス) id: a34c130848 (このIDを非表示/違反報告)
Mirai at(プロフ) - ついに続編ですね!更新待ってまーす。 (2019年11月18日 15時) (レス) id: 86ab96dee6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チイチ | 作成日時：2019年11月16日 1時
