初恋物語。【 skt 】 (ページ8)

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ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝとチャイムの音が鳴る。
インターフォン越しに浦田先輩声が聞こえる。

ur『はーい？』

「ぁ、先輩。緋守です」

ur『あー…ちょっと待ってて』

そう言ってインターフォンが切れる。
そういえば凄い賑やかな声がしたような……？

そんな事を考えていると玄関の扉が開いた。

ur「ごめ、Aちゃん。今めっちゃ人居るんだけど平気？」

浦田先輩が焦ったように言う。

「うらさーん？」

「さ、坂田くん…！？」

坂田くんの声が中から聞こえて思わず声を上げる。

ur「……こんな感じなんだけど」

先輩は苦笑を溢す。

「…大丈夫じゃないかもです」

好きな人に私服を見られるとか無理ぃ……！
早く渡して帰ろう…

「せ、先輩。これ…」

私は急いで先輩に紙袋を渡す。

ur「うわ、めっちゃ美味そう！何時もありがとな」

「い、いえ！」

"じゃあ私はこれで"と言いかけた時だった。

「うらさーん、何しとんのー！遅、い……」

「あ……」

最悪だ。やってしまった。

「緋守さん！え、どうしたん？え？？」

ur「これ届けに来てくれたんだよ。」

と先輩が坂田くんに紙袋を見せる。

「何入っとんの？」

ur「果物。御実家から送られてくるんだってさ」

「そうなんや！」

先輩と楽しそうに話してるし、私はもう帰ろう…

「ぁ、あの、私はこれで……」

「え、何で！？折角やし一緒に遊ぼうや！」

"今丁度皆でゲームしとったんよ"と無邪気に笑って私に言う。

「ぇ、で、でも…」

「…あかん、かな？」

そんなキラキラした目で見ないでぇぇ…。

「…じゃあ、少しだけ……」

「よっしゃぁぁぁぁぁ！！」

ur「坂田五月蝿い、近所迷惑。」

と、先輩に怒られているのを見て少し笑ってしまったのは内緒……。
予想外の展開だけど、私は皆と一緒にゲームをすることになった。

……ゲーム苦手なんだけど大丈夫かなぁ…。