初恋物語。【 skt 】 (ページ3)

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＿進み出す物語ページ3

4月。桜の花が咲き乱れる中、私は進級した。

私は中庭に生える桜の木を見て去年のことを思い出していた。

「坂田くん……」

坂田悠

私が一方的に想いを寄せている相手。

坂田くんは明るくて、誰にでも優しくて、いつも笑顔。
根暗で、コミュ障で、いつも俯いてる私とは大違い。

同じクラスだったけど、きっと覚えてないよね…

少し沈んだ気持ちになりながらもクラス分けの紙を貰いに去年の教室へと向かう。

今も君は友達と仲良く話している。
私は話すような友達も居ないので一人自分の席で本を読む。

早くクラス分けの紙配ってよぉぉ…！

長い長い校長の話が終わり、ようやくクラス分けの紙が配られる
私のクラスは……

自分の名前を探して気がつく

今年も坂田くんと同じクラスだ……！！

嬉しくなってちらりと坂田くんの方を見る

声は聞こえないが、楽しそうだ
…今年こそ、坂田くんと友達に……

？「今年も坂田と同じクラスなったんやね～」

独特な京都の訛りが耳に入る

「…泉くん」

私の唯一の友達…というか、勝手に友達という事にされていた、折原泉くん。
坂田くんと幼馴染みで、よく話している。さっきも二人で喋っていた。

sn「はよ行かんと、坂田行っちゃうで～？」

泉くんはドアの方を指差し、私に教えてくれる

「あ、ありがとう…泉くんは…？一緒に行かないの……？」

sn「俺はクラス変わらんかったんよ～、せやからこのまま」

「そう、なんだ……」

嬉しさ半分、悲しさ半分。坂田くんと話せてたのは泉くんが居たからだし。

sn「あ、坂田行ってもおたよ～？」

「っえ…！？」

sn「ほらほら、はよ行き～」

泉くんに背中を押され、ようやく前に進む

「あ、ありがとう泉くん…！」

泉くんに感謝を告げ、急いで坂田くんの後を追う。