story.6 ページ7
Aside
皆がロードワークに行っている最中に
帰ってきてすぐスポドリが飲めるようにと準備しておく。
また一つため息をつき作業を続ける。
マネが二人になるって分かった時は凄いうれしかったけど
思えばこっちの方がつらい。
岩ちゃんとは同じクラスだから普通に話してくれたり
気遣ってくれるけど特に及川がね．．．。
別に陽菜乃ちゃんに嫉妬してるわけじゃないけど
あの緩んだ顔見てるとムカつく。
ろくに仕事もしないくせにお疲れ様とかありがとう
声をかけられてるの見るのがほんとに嫌。
見えない努力をする人は､必ず報われるとか嘘だろ。
そんな考え事をしていれば皆が帰ってきたようだ
ちょうどドリンク作り終わったしナイスタイミング
お疲れ様でしたー
なんていいながら体育館に入っていくと
体育館の隅には数人固まっている。
そして部員はこちらの方を見る。
どうした。なんかしたか？
「あ。Aちゃん！こっち来て」
及川に呼ばれた
何だ私にはまだ仕事が。とか思いながら及川の方に向かう
「どうしたのー？」
「ちょっとこれどういうこと？」
は？なんで怒ってんのこいつ。
いつものヘラヘラした顔ではなく真剣だ
目を向けた先にはうずくまっている陽菜乃ちゃんがいた。
・・・泣いてる？
「陽菜乃ちゃん大丈夫？
足やっぱり痛かったの？」
「は？なにいい子ぶってんの」
乱暴な口調で言う及川
「は？なにいってんの」
「Aが陽菜乃ちゃん泣かせたんでしょ」
「どういうこと？」
また嘘か。半年前にもこんなことがあった。
そのときは丸く収まった。
はぁ。もうつかれた
「とーる先輩！大丈夫ですよ
もうA先輩をせめないでください」
「でも、ちゃんと言わなきゃ」
「なに？私が悪いことしたって言いたいの？」
イライラしてちゃダメだ抑えろ。
「陽菜乃ちゃん、私なんかしちゃったかな？」
「そんなの自分が一番分かってるでしょ」
いちいち口挟んで来るなよと言おうとした時
「A先輩。落ち着いて」
と誰かが肩に手を置いてきた。
この声は国見くんだ。
視界がだんだん潤んでくる。
やばいと思いとっさに下を向く
「そうだぞお前ら一回落ち着け」
と岩ちゃんが止める
「落ち着いて話してみないと分からない事だらけだぞ」
「た、たしかに」
と及川がつぶやく
それから私達はいったん落ち着くまで待った
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作者名：そら | 作成日時：2017年11月12日 15時
