逢魔時～時を越えた絆～8 (ページ45)

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小山「ごめん、シゲ」

加藤「何でお前が謝るんだよ」

小山「何でって・・・、シゲの気持ちに気付けなくて・・・」

加藤「・・・いいんだ、俺が勇気を出せなかっただけだから・・・」

下を向くシゲに、俺はかける言葉を考えた

小山「シゲ、Aと一緒によくこの桜を見ているよな？」

加藤「？まあ・・・そうだな」

小山「その時に話してみればいいじゃん、Aはシゲの伝えたいこと、ちゃんと受け止めてくれるよ」

加藤「・・・・・」

まるで雲のように、Aは相手の想いを受け入れ、包み込んでくれる

俺はそんなAの優しさに、いつだって支えられている

加藤「・・・そうだな、いずれ・・・」

シゲの表情が、少しだが明るくなった

加藤「・・・怪我、大丈夫か？」

小山「？」

一瞬何のことかピンとこなかったが、シゲが未だ包帯が巻かれた俺の右手を見ていたことで理解した

小山「平気だよ、もうしばらくすれば完治するから」

加藤「本当に・・・悪かったな」

小山「気にしないで、俺なら大丈夫だから、もう自分を責めるなって」

俺としては、気にしてくれていたことが嬉しかった

ぶっきらぼうなところもあるけど、本当は凄く優しいんだよな、シゲって

夜も遅かったため、俺達はそれぞれの部屋に戻った