act21-3 ページ18
〜加藤side〜
結界柱がAさんの退魔の力を奪っている
・・・それを知ったところで、俺が彼女のために出来ることはない
加藤「・・・・・」
・・・本当に・・・そうだろうか？
先代巫女様は話を終えると、自分の部屋に戻っていった
俺達も重い足取りで広間を出る
いつもの俺なら、気を紛らわすために庭の桜のところへ行くだろう
だが俺は、結界柱に直行していた
悠然とそびえる巨大な柱を見上げる
これが原因で、Aさんは苦しんでいるんだ・・・
きっと大禍時が過ぎるまで、柱はAさんから力を吸い取り続ける
とはいえ、それを止める方法なんて分からない
もしかしたら・・・、柱を破壊すれば止まるんじゃ・・・
魔が差したとしか思えない邪な考えが浮かんだことを猛省する
そんなことをしたら、大禍時を防げない
じゃあどうすればいい・・・？
何とかして・・・Aさんを助けたい・・・！
俯き、必死に考える
・・・方法が思い浮かぶことはなかった
だけどこのままAさんを見捨てることなんて出来ない
自分に出来ることを考えた末に辿り着いたのは、『選択』だった
何を救うべきなのか・・・
俺が助けたいのは、何なのか・・・
加藤「・・・俺は・・・」
ある決心をし、俺は顔を上げた
俺が一番大切なのは、Aだ
絶対に・・・彼女を救ってみせる・・・！
俺は睨みつけるように、結界柱を見つめた
迷いはない、必ずやり遂げる
加藤「・・・邪道でも・・・構わない」
A、お前は俺が絶対に守る
・・・どんな手を使ってでも・・・！
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作者名：天照 | 作成日時：2019年10月12日 18時
