逢魔時 〜時を越えた絆〜5

act12-18 ページ8

〜増田side〜




結界を作っても、妖魔の馬鹿力によって壊される


けれどAちゃんは、その度に新たな結界を出現させた


結界を出し続けて退魔の力を凄く消耗しているはずなのに、Aちゃんは諦めることはない




どうして彼女は、ここまで出来るんだ・・・？


どうして、俺なんかを守ってくれるんだ・・・？




大切な人を守れなかった自分に失望し、気力を失い、自暴自棄になっていた俺を、彼女は信じてくれた




また俺は・・・大切な人を守れないのか・・・








その時、首にかけていた勾玉が輝きだした


Aちゃんの強い退魔の力に反応したのか・・・？




それを手に取ると、かつて・・・前世であいつと共に過ごした日々が思い起こされた





いつだって、あいつは笑顔でいた


俺に会えたことを、幸せだと・・・思ってくれているのだろうか・・・？




約束だと言って伸ばす手、立てられた小指


俺を見つめる瞳は、真っ直ぐだった




・・・後悔していなかったんだな、お前は・・・



たとえ、こうなる運命だったと分かっていても・・・







約束を破って、すまない



けれど、お前と「約束」を交わしたこと、それ自体が信頼の証だった





俺も・・・、もう後悔はしない




お前に出会えて・・・良かった








刹那、誰かに背中を押されたように、力と温もりを感じた




・・・まるであいつが、俺に前に進む力をくれたみたいだ





勾玉を強く握り締め、前を向く








俺は戦う！皆と一緒に・・・！







だからお前も・・・力を貸してくれ！






俺の大切な人達を・・・守るための力を！

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