逢魔時 〜時を越えた絆〜

act4-2 ページ47

小山さんと一緒に神社に戻り、お手伝いさんに彼のことを話す




広間にいた手越さんと増田さんのところに向かうと、二人は私達を見て目を丸くしていた



増田「小山！」

手越「今までどこ行ってたの！？遅過ぎだろ！」

小山「ごめんなさい・・・」


二人に圧倒され、小山さんは目に見えて落ち込んでしまった


「でも、無事で良かったです、怪我をされてなくてホッとしました」

小山「ありがとう、Aちゃん、優しいんだね」

増田「・・・確かに小山が無事だったって、奇跡だよな」

手越「どうせ妖魔から逃げてたんだろ？」

小山「逃げてはないよ！・・・戦ってもないけど・・・」

「？」


徐々に小山さんの声が小さくなる


3人の会話の意味は分からなかったけど、私から深く聞くことはしないでおこう




お手伝いさんが朝食の時間を伝えに来たため、私達はその場を移動した







朝食を終え、小山さんをお部屋に案内する



「こちらを自由に使って下さい」

小山「ありがとね、それと、遅くなって本当にごめん！」

「気にしないでください、これからよろしくお願いします」

小山「・・・うん、よろしく」


会った時と比べ、小山さんは少し元気がないように見えた


疲れているのかな？



「では、私はこれで、神楽の稽古がありますので」

小山「神楽？舞のこと？見学していい？」

「・・・ごめんなさい、限られた方を除いて、披露の時まで神楽は見せないことになっているんです」


先代巫女のお母様や、神楽の指導をして下さる数名のお手伝いさんが、それに該当する



小山「・・・そっか、残念だけどそれなら仕方ないね、頑張って」

「ありがとうございます」


小山さんは手を振って私を見送ってくれた






日が沈むまで、私は神楽の稽古をした



今日は妖魔が現れていない


勿論喜ばしいことだけど、気を抜く訳にはいかない





・・・明日は3人と一緒に、里に行こうかな




庭から夜空を眺めながら、そう考える




妖魔との戦いが続いているけど、里の人達と触れ合える、静かな日常を大切にしたい




いつか、妖魔に怯えることのない、平和は日々が訪れてほしい






その実現に近づくためにも、大禍時を必ず止めよう！

act4-3→←act4-1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す