4人は神様！？ 4

act9-11 2 ページ12

増田「・・・もうあんたが天界にいる理由なんてない」

「・・・貴久・・・」

増田「分かったら天界から出てけ」


その言葉は、今まで聞いたことがないほど低く、冷たかった


零れそうになった涙を抑え、私は貴久に駆け寄った


「でも、私・・・」

増田「・・・いい加減にしろよ！もうあんたを守って傷つくのは懲り懲りなんだよ！」

「・・・・・！」


当然、自分のせいで皆が傷ついていることは理解していた


なのに、それを突きつけられた途端、何かに強くぶつかったように全身が震えた



増田「姫でもねえくせに・・・何が出来ることをしたいだ、図々しいんだよ」

「貴久・・・」

増田「馴れ馴れしく呼ぶな」


私を見る貴久の目は、怒りと軽蔑の感情が籠っていた


思わず目線を逸らすと、貴久も皆に続いて戻っていった






その場に残っているのは、私と祐也だけだった




「・・・祐也・・・」

手越「・・・・・」


縋るような思いで、祐也の方を見る


祐也はちらと私の方を見たが、すぐに視線を外した




手越「・・・Aが頑張ってきたことは分かってる、だけど・・・それだけじゃどうにもならないんだ」

「祐也・・・？」

手越「・・・俺も皆と同じ気持ちだ、Aが天界にいる意味は・・・ないよ」


私の中で、何かが崩れるような感覚がした


それでも認めたくなくて、祐也に駆け寄った


「でも・・・祐也は私は姫に相応しいって・・・、ここにいてもいいって・・・！」

手越「・・・そんなのもう昔のことだ」


はっきりと告げられ、私は足を止めた


手越「天界の姫は・・・キセキだ、他の誰でもない」

「・・・・・」

手越「ここに君の居場所はない、早く・・・帰れよ」



祐也は最後まで私と目を合わせないまま、その場を立ち去った









私は一人、その場に取り残された







何があったかはしっかりと理解している



だけど、信じたくない、認めたくない





私は天界にとって必要ない


私が天界のために出来ることなんて何もない


一緒にいても、邪魔なだけ





どうしてだろう、自分でそう思っていたはずなのに、今になってそんな考えを否定しようとしている


本当、都合がいいな、私・・・




分かってたはずなのに・・・


受け入れていたはずなのに・・・







「あ・・・ああ・・・嗚呼あああぁぁぁあああ―――――――！！！！！」






私はその場に泣き崩れた





けれどその声を聞いてくれる者は、誰もいない・・・

act9-12→←act9-11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す