act3-14 ページ44
離れた場所から、木に隠れて様子を見る
熊の様なそれは、真っ黒の体に赤く光る眼光、その体は大型の熊さえ凌駕するほど巨大だった
前足には鋭利な爪が伸びている
「・・・地鬼・・・！？」
私には、そうとしか考えられなかった
幸い、地鬼達は私に気付いていない
今なら逃げられる
だけど、私の足は動かなかった
怖くて足が竦んでしまったからではない
地鬼の進行方向には、住宅街がある
このまま先に進んでいけば、いずれ・・・
「・・・止めないと」
それが、逃げることよりも私の頭に優先的に芽生えた発想だった
私は思い切って地鬼達の前に出た
地鬼の動きが止まる
人の言葉は発しないが、雄叫びの様な声を上げる
少しずつ、しかし一斉にこちらに近づいてきた
私を狙っているなら、追いかけてくるはず―――――！
街から離れるように走ると、思った通り、地鬼達も私を追ってきていた
このまま街から遠ざけよう！
時々後ろを確認しながら、森林の更に奥へと向かう
不思議と、恐怖心はなかった
「はあ・・・、はあ・・・」
走り続けていたため、当然ながら疲れてしまった
足を止めて、近くの木に凭れる
地鬼の姿を確認出来るが、だいぶ距離を開いたため、すぐには近づいてこないだろう
少しでも疲れを癒すため、その場で休むことにした
突然、私を巨大な影が覆う
「・・・え？」
振り返ると、目の前が壁に阻まれたように真っ暗だった
だけど視界を上に上げたことで、状況を把握した
他の地鬼達よりも更に巨大な熊の怪物が、私の目の前に立っていたのだ
「！！」
後ろに倒れる形で座り込む
一気に体が恐怖に支配され、動けなかった
巨大な怪物が、鋭利な爪の生えた前足を振り上げる
もう駄目だ・・・
目の前の怪物を前にどうすることも出来ず、私は覚悟を決めた
・
怪物が腕を振り下ろそうとした瞬間、ギザギザした光の様な何かが怪物に命中した
その巨大な体が光に包まれると同時に、怪物は苦しみだした
光というより、電気みたいだ
電気が消えると、巨体が砂のように変化して、崩れながら消えていった
座り込んだまま呆然としていた私に、足音が近づく
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天照(プロフ) - チェルシーさん» 感想ありがとうございます！凄く嬉しいです！前作から読んでいただき感謝感激です。今後とも楽しんでいただけるよう更新頑張っていきます。 (2018年1月30日 19時) (
レス) id: a981c9ad02 (このIDを非表示/違反報告)
チェルシー(プロフ) - 幻想戦歌も毎日更新楽しみで終わったとき悲しかったけどこの作品も凄く面白いです！毎日更新楽しみです！ (2018年1月29日 20時) (レス) id: 5dcb618811 (このIDを非表示/違反報告)
天照(プロフ) - はーみゃんさん» 感想ありがとうございます！凄く嬉しいです！大好きと言っていただけて光栄です。これからも更新頑張ります。 (2018年1月27日 19時) (レス) id: a981c9ad02 (このIDを非表示/違反報告)
はーみゃん(プロフ) - 初めまして。前作から読ませていただいてます。天照さんの作品大好きです！これからも更新楽しみにしています^ ^ (2018年1月26日 20時) (レス) id: dfbb8d508c (このIDを非表示/違反報告)
みかんタルト - 天照さん» いえいえ！！ もう新作をめっちゃ楽しんでます！！ (2018年1月15日 12時) (レス) id: 40273d31c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天照 | 作成日時：2018年1月3日 13時
