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py「はい、最後はこれで俺の事殺して終わりね」
銃口を俺の方に向けて、無理やり彼女の手に乗せる。
近くで撃ったら命中率下がるけど、まぁ止まってる相手なら大丈夫でしょ。
薄く開かれた彼女の唇が小さく息を吸って引き結ばれた。
その存在から、記憶から、全部が欠片も残らないなら。万が一思い出した時、消えない枷になるように。
後悔と絶望と、向こう側に確かにあった恋に縛られて、絶え間ない懺悔を俺の手に。
最期まで役目を果たしたんだから、冥土の土産はそれ相応のものを。
「……できないよ」
「でもやらないと」
帰ったところで彼女を知らないなら意味がない。心が踊るその瞬間は、いつもそこにあったから。
彼女の腕が上がる。風を切る音とほぼ同時に、重い振動と熱が身体から力を抜いた。
静寂。言葉や動き、音の要らない数秒間。
倒れ込んだ俺と目を合わせた彼女の下がった眉に指をはわせて、そのまま目尻に触れる。
この3日の間に少しかさついた頬を包み込んで、引き寄せた。
呼吸が混ざり合う距離。指先を濡らした雫が酷く暖かい。首に回る腕。俺の返り血で汚れた姿は確かに、何か禁忌を犯した様な背徳感を漂わせる。
唇を押し当てるように合わせて、感傷の深くまで潜り込んだ。
互いにわかって先延ばしにした実りに何の過ちも無く、今日この日のことを彼女はいつか思い出すから。
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すいみん。(プロフ) - こんな夜に死ぬ程泣いてしまいました。起きる頃には目が腫れていそうです。背景描写や細やかな心情描写が繊細で儚いのに粘っこく心に残る小説でした。解像度も高く本当に言ってそうorやってそうな行動ばかりで脱帽です。無理なさらず更新頑張ってください！！ (1月13日 23時) (
レス) @page20 id: f12e90341c (このIDを非表示/違反報告)
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