第五十八話「予想外の対面」 ページ9
そう言えばショッピもコネシマも、行きの馬車で彼女の愚痴を話していた。そんな事をするようなキャラではないと思っていたが、私が転生したことで何かが変わった？だとしたら、マズイ。
「Aさん？どうかされましたか？」
真っ青ですよ、と言われてハッとする。手を膝の上に持っていきクロスすれば、異常なくらいに冷たい。それ程までに、動揺しているのか。
『なんでも、ありませんわ。原因が分かって良かったです。』
これからはもう少し考えて行動しなくては。私は悪役令嬢。彼らに嫌われる義務がある。けれど、殺されたくもない。何とも難しい位置に居るものだ。
「…あまり、無理はなさらないように。貴方は感情を自分の中に押し込めることが得意なようですから。」
それはきっと、私が基本なんでもYESという人間だからだろう。なにか頼まれても私は断らない。前世の社畜だった時の癖が染み付いているだけだ。それ以外の何物でもないのだが、やはり年相応に我儘を言わないのは不思議なのだろう。
『私は大丈夫です。エーミール先生も無理をなさらずに。』
そうして微笑めば、彼も愛想良く笑った。…なんでこれで結婚できないんだろう、この人。
『では私はこれで。紅茶、美味しかったです。』
次の授業のため、私は生徒会室に向かうことにした。因みにエーミールとは歴史について話し合い、とても楽しかった。
「それは良かったです。また来てくださいね。」
その頃には気分は良くなったのか、エーミールはニコニコと微笑みながら見送ってくれた。さて、問題は彼らだ。たったの数日であんなに疲労しているのだ。大丈夫なわけが無い。足早に生徒会室に向かう。
「ぁ、A！」
生徒会室前、助けを求めるようにチーノが名前を呼んだ。走って駆け寄れば、縋ってくる。…一体何なんだ？
『どうかし…』
「ショ、ショッピが！」
彼がどうかしたのかと生徒会室を見れば、見覚えのある姿の女子高生がショッピの手を強引に握っていた。これは非常にマズイ。ショッピは、その手のことが嫌いなのだ。
『何してるの！？』
慌てて間に入れば、甘ったるい匂いが鼻を通る。何だこの匂い、香水の量が尋常じゃない。これを毎日嗅いでいたから、あんなに気分が悪かったのか。
ただ、その正体がヒロインだとは思わなかったが。
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loW(プロフ) - あまねさん» ありがとうございます。 (8月8日 22時) (
レス) id: ae4054d4f7 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - はあもうさいこーかよあいしてます (8月8日 14時) (レス) @page11 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
loW(プロフ) - 春千瑠さん» そのように言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。 (2023年4月13日 21時) (レス) id: ae4054d4f7 (このIDを非表示/違反報告)
春千瑠 - さいっっこぉぉ！！！応援します！これからも無理せず更新頑張ってください！ (2023年4月13日 19時) (レス) @page11 id: 6c259301f0 (このIDを非表示/違反報告)
loW(プロフ) - ミミックさん» そのように言っていただけて嬉しいです。これからも気ままに更新しますので、どうぞよろしくお願いします。 (2023年4月4日 23時) (レス) id: ae4054d4f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：loW | 作成日時：2022年10月29日 18時
