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銀ノ魂篇42ー永訣ー ページ43

ーAside

息を切らして走る。

最上階をめざして走る。

勢いよく足を踏み入れると、銀時が何かの傍で座っていた。

俯いていて表情は見えない。

少し見える紫色の髪に私はその場から動けなくなった。


「………」



朝日が昇り、銀時の銀色の髪を輝かせている。


言葉は出てこない。


「……死体も残らなかった。」



唐突に放たれた言葉に顔を上げる。




「……晋助はそこに…」



「高杉じゃなくて、お前の……」



そこまで聞いて、あとは何もわからなかった。



周りの音が一気に遠のいて、何かを言っている銀時の口元だけを見つめていた。



轟々と大きな音が鳴り響き、銀時に手を掴まれて私の意識はやっと戻った。


「行くぞ。」


手を引かれるままに走る。


崩壊寸前の建物の中をひたすら走る。


何度も転びそうになりながら、走り続ける。


多くの仲間に支えられながら、どこか知らない部屋に辿り着いた。


銀時が誰かの元へとかけていき、手を掴んで身体を支える。


その「誰か」がこちらを振り返り微笑んだ時、手足が震えだし大声で叫びそうになった。


私達がずっと護りたかったその「誰か」


いや、松陽先生は今にも消えそうな体で荒れ狂う龍脈と戦っている。


先生だけじゃあれは止められない。


ならどうする?


誰が止める。


自分の手のひらを見つめ


あぁそうか


と微笑む。



龍脈と戦う先生、万事屋の背に小さな声でありがとうと呟くと、私は別の場所へ向かった。

銀ノ魂篇43ー支ー→←銀ノ魂篇41ー解ー



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れい(プロフ) - レミリアさん» 初めて見た虚の小説が私の小説だったなんて、とても嬉しいです!最後まで見ていただき本当にありがとうございました! (2020年6月17日 22時) (レス) id: 083c2e3efe (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - 完結おめでとうございます!ハラハラドキドキさせて頂いておりました!虚の小説を始めて見たのがこれでよかったと思っています!本当にお疲れ様でした! (2020年6月17日 17時) (レス) id: 0a87aae102 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ゆるさん» ありがとうございます!のろのろ更新になってしまうと思いますが、そろそろ完結なので最後までがんばります! (2020年6月9日 20時) (レス) id: 083c2e3efe (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - 更新楽しみにしてます! (2020年6月9日 12時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ながのけんさん» 返信遅れてすみません!好きと言ってもらえて本当に嬉しいです!励みになります!!これからも更新していくのでよろしくお願いします! (2019年5月30日 19時) (レス) id: ab40bf5b47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れい | 作成日時:2018年8月23日 16時

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