銀ノ魂篇14ー寄せ集めの人間ー ページ15
ー虚side
「わん」
犬の鳴き声。
後ろを振り返ると、消えたはずの犬が半霊体としてまだそこにとどまっていた。
何故だ。
そんな力はもう無いはず。
目の前のAにも変化はなく、Aが犬に力を与えたわけでも無さそうだ。
なら何故……
「やれやれ、私たちの住んでる星がこんなに暴れん坊だとはしらなかったよ。」
声のするほうを振り返ると、そこには江戸の町民。傷を負ったもの、子供を抱き抱えているもの。私に怯え、逃げ、隠れていたはずの人間達がそこに立っていた。
「受け取って!!私たちの力!」
黄龍の巫女が町民に力を与え、叫ぶ。
私はその光景を黙って見つめた。
………何故だ。
何故まだ私に抗おうとする。
抗った先に待つのはほんの僅かな光と死のみ。
なのに何故。
ほんの僅かな光だけを信じそこに立っていられる。
私から光を奪い取った人間が。
なんの力も持たない人間が。
「寄せ集めのただの人間が…!!」
私の道具を次々となぎ倒していく人間達を見つめる。
正体不明の感情が私を包む。
「虚」
Aが私の名を呼ぶ。
それだけで少し安心してしまう。
こんな状況でまだ私は
「人間は、貴方が思っているより弱くない。」
「………」
狗神のものへと走る。
あれを消せばこの星は終わる。
Aの言葉をかき消すように走る。
振り下ろした刀は何者かによって防がれた。
砂埃が舞う中、骸が私を見つめていた。
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れい(プロフ) - レミリアさん» 初めて見た虚の小説が私の小説だったなんて、とても嬉しいです!最後まで見ていただき本当にありがとうございました! (2020年6月17日 22時) (レス) id: 083c2e3efe (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - 完結おめでとうございます!ハラハラドキドキさせて頂いておりました!虚の小説を始めて見たのがこれでよかったと思っています!本当にお疲れ様でした! (2020年6月17日 17時) (レス) id: 0a87aae102 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ゆるさん» ありがとうございます!のろのろ更新になってしまうと思いますが、そろそろ完結なので最後までがんばります! (2020年6月9日 20時) (レス) id: 083c2e3efe (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - 更新楽しみにしてます! (2020年6月9日 12時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ながのけんさん» 返信遅れてすみません!好きと言ってもらえて本当に嬉しいです!励みになります!!これからも更新していくのでよろしくお願いします! (2019年5月30日 19時) (レス) id: ab40bf5b47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れい | 作成日時:2018年8月23日 16時