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銀ノ魂篇13ー消滅ー ページ14

ーAside

目を開けると、目の前には力尽きた人々が力なく倒れており、私の体からはたくさんの血が流れでていた。

虚と闘っていた時についた傷からこんなにも出血していたのかと今更気付く。

頭を打ったせいで頭も痛むが、ゆっくりと立ち上がり前を見据える。

「……まだ立ち上がりますか。」

私と同じくボロボロになった虚が少しだけ悲しそうに呟く。

虚を見つめていると、ある事に気がついた。




傷が回復していない。





虚は受けた傷をすぐに回復できるはずだ。だが、目の前の虚は血を流し、少し苦しそうに呼吸をしている。

辺りを見回すと、龍脈は鎮まりつつあった。

定春がまだ頑張っているのか。

「……今はあの犬が鎮めていますが、もう時期消えます。希望はまもなく消えてなくなる。」

「っ……」

虚が言っているのは嘘ではない。

あの龍脈の中でこの世に生きるものが生きていられるわけがないのだ。

定春が今も消えずに生きていることは奇跡と言っていいほど。

「……だが定春は」

ズドォォォン!!

大きな音に後ろを振り返る。

「っ…!!!」

龍脈が戻った。

虚の傷は煙を生じながら塞がっていく。

「……終わりです。」

誰もが固まり、静まり返る中、虚の声が響いた。

「彼は死に、龍脈は蘇った。」

地面から龍脈が吹き出す大きな音が響き渡る。

「君たちの希望の灯は、今かき消えました。」

万事屋が駆け出し、虚に攻撃を仕掛ける。

しっかり傷は与えているのに、その傷は何事も無かったように塞がっていく。

1人、また1人と吹き飛ばされる万事屋の3人を私は黙って見つめていた。

絶望してしまったのだ。

もう勝てないと。





「わん」








次に静寂を破ったのは犬の鳴き声だった。

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れい(プロフ) - レミリアさん» 初めて見た虚の小説が私の小説だったなんて、とても嬉しいです!最後まで見ていただき本当にありがとうございました! (2020年6月17日 22時) (レス) id: 083c2e3efe (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - 完結おめでとうございます!ハラハラドキドキさせて頂いておりました!虚の小説を始めて見たのがこれでよかったと思っています!本当にお疲れ様でした! (2020年6月17日 17時) (レス) id: 0a87aae102 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ゆるさん» ありがとうございます!のろのろ更新になってしまうと思いますが、そろそろ完結なので最後までがんばります! (2020年6月9日 20時) (レス) id: 083c2e3efe (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - 更新楽しみにしてます! (2020年6月9日 12時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ながのけんさん» 返信遅れてすみません!好きと言ってもらえて本当に嬉しいです!励みになります!!これからも更新していくのでよろしくお願いします! (2019年5月30日 19時) (レス) id: ab40bf5b47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れい | 作成日時:2018年8月23日 16時

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