-45- 生温い記憶【翡翠編-弐-】 ページ11
父親『翡翠。お前はドイツに行け』
翡翠『･･････え？』
守ろうと、初めてそう思えた大事な家族ができた矢先、それは起こった。
父親と母親が身勝手で自己中心的なのは知っている。いつものことだから。
だからといって、今の言葉は聞き捨てならない。
母親『ふふ、実はね。ドイツの有名な音楽家の方が貴方を引き取りたいとおっしゃったの』
頬に手を添えてうっとりとそう告げた母親。気持ち悪い。
その年でうっとりされても色気どころか可愛げもでねえぞババぁ。
その言葉を飲み込んで、何気なくを装うように俺は訴えた。
翡翠『ですが父上、神童家はどうするんです。いくら子供でも、俺は跡取りで…』
父親『ああ、それなら心配いらない。拓人に任せることにしたからな』
翡翠『――――――!?』
このおやじは何を言ってるんだ。
神童家を拓人が継ぐだと。
こんなにドロドロで重く、鎖に縛り付けられる神童家を拓人につがせると？
貴方方はどれだけあいつを縛り付ければ気が済むんだ。
母親『それにね翡翠。吉良さんからこんなメッセージもいただいているの。もちろん私達は読んでいないわ』
そう言うと母様は、俺に封筒を渡した。
ビリりと破って中身を見ると、そこには吉良という人からのメッセージが。
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やあ、翡翠君。
初めましてだね、私の名は吉良星二郎。
さっそくだが、ドイツの音楽学校に行かないか。
音楽学校と言っても、君にはヴァイオリンと同時にサッカーも学ばせる。
君のご両親には「君をドイツへやってくれたら１０，０００，０００円の金額を神童家に寄付しよう」と言ってある。
快く承諾してくれたよ。
そしてこれは君への警告だ。神童翡翠。
もし、君がこの話を断れば、君ではなく、その弟君に罪をかぶせることにしよう。
【神童拓人がどうなってもいいのか】
要件はそれだけだ。
いい返事を待っている。
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..この手紙を読んでわかったことは二つ。
一つ目は、俺は金のために両親に売られようとしていること。
二つ目は、俺が断れば、拓人が酷い目に合うということ。
ひとつめは良い。今に知ったこっちゃないから。
問題は二つ目。
拓人が酷い目に？んなもん誰が望むか。
俺は、両親に二つ返事で承諾した。
-46- 一時の記憶【翡翠編-参-】→←-45- 温かな記憶【翡翠編-壱-】
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アヤ - すごく感動しました！(*^_^*)絵文字がわかんなかったのでとりあえずにているものを (2012年11月27日 21時) (
レス) id: 10e0a2ff7e (このIDを非表示/違反報告)
松風もえ - 完結おめでとう！めっちゃ泣きました。いろいろ遅くてゴメンネ（泣）その前に、覚えて無いですね。とにかく感動をありがとう(*＾-＾*) (2012年4月22日 12時) (レス) id: 07e680f5d0 (このIDを非表示/違反報告)
霜月千里☆(プロフ) - ちびねこさん» 違っていませんよー＾ω＾!!証です!大好きなんです!! (2012年4月19日 20時) (レス) id: b15027f9ef (このIDを非表示/違反報告)
ちびねこ - こ、この小説の「希望があるはずだから……って、flumpoolの『証』ですか？！違ったらすいません。 (2012年4月19日 20時) (レス) id: 70505f893b (このIDを非表示/違反報告)
霜月千里☆(プロフ) - みかさん» ありがとうございました!!アンケートもありがとうございます!! (2012年4月4日 17時) (レス) id: b15027f9ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜月千里☆ | 作者ホームページ：http://id35.fm-p.jp/193/kkendou/
作成日時：2012年1月5日 14時
