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「なんだい朝から死んだ魚のような目して...」
「Aサン、ココ最近ズットコノ調子デスネ」
わたしはスナックお登勢に来ていた___
銀さんが2人に "万事屋解散" を告げて数日...
わたしは上の空な日々が続いていた。
銀さんの居場所も掴めず、掴んだとしてもそれは銀さんの意志にそぐわないのではないか...
考えたといえばそれくらいだ。
...そんなある日だった。
幾松さんから銀さんの居場所を教えられた...
銀さんを待つ人はわたしだけじゃない。
新八くんや神楽ちゃんだってそうだ。
これを伝えてあげなくちゃ...
でも伝えた所でどうする?
連れ戻す?そんなことできるの?
...結局居場所を知った所で考える事は変わらなかった。
___そして今に至る。
「ハァ...全くアンタ達は手のかかる連中だねェ」
お登勢さんはそう言うと1枚の紙を持ってカウンターを出た。
わたしがハッとしてお登勢さんを見ると、
「Aが悩んでるのはコレだろ?アンタは深く考えすぎる。私は今から "上にいるヤツら" に今から言ってくるよ」
「!お登勢さんまっ.」
1枚の紙をヒラヒラと見せたお登勢さんに "待ってください!"...と、そう言いたかったけど、お登勢さんはスタスタと外へ出てしまった。
そして程なくして、お登勢さんが "上にいるヤツら" と言った新八くんと神楽ちゃんがドタドタと階段を降りて行く音が聞こえた。
お登勢さんは戻って来ると、
「この件はアイツらに任せなァ、きっとすぐ戻ってくるさね」
そう言ってわたしの肩をポンッと叩いた。
...わたしは弱い...
もっと強くならなくちゃ
この時そう思ったことを忘れない___
···
······
·········
_____ガラガラッ
お登勢さんの言った通り、夜には "3人" が帰ってきた。
「バーさん飲みきたぜ」
銀さんはそう言って入ってきた。
...アレ? "記憶戻ってる?"
ここで待っていた全員がそう思ったであろう...
そんな銀さんの隣には笑顔な2人が並んでいた。
「銀時...アンタ具合は大丈夫なのかィ?」
お登勢さんが銀さんにそう聞くと、
「オオ...なんとかな」
と、銀さんは答えた。
そしてお登勢さんはわたしをチラッと見た。
わたしはそれに気づいて...
「銀さんおかえりなさい」
そう涙目になりながら言った。
すると銀さんは、
「...ただいま」
って、頭を掻きながら照れくさそうに言ったのだった。
日常が戻ってきた。
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作者名:りず | 作成日時:2021年5月5日 23時