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___お前、俺に隠し事してねーか?___


そう言った銀さんの表情はいつになく引き締まっていた。


そして、わたしが銀さんのその言葉を聞いて思い当たるのは "晋助のこと" で...


わたしは銀さんに強く抱きしめられたまま、その胸に顔を埋めた。それから、


「...銀さん...わたし、去年の春に晋助と会った...」


と、銀さんに初めて伝えた。

すると銀さんは...


「去年の春ね...新八が来る前か...」


と、少し寂しそうに言った。




ああ...わたしはなんで銀さんに隠し事を作ってしまったんだろう...




銀さんによからぬ心配をかけまいと、自分で隠すことを決めたはずなのに、わたしはここへ来て後悔を始めている。




そう思いながら、わたしが次の言葉を探していると、銀さんは更にわたしを強く抱きしめた。

それから、


「ったく...Aはまだまだ俺に遠慮しすぎなんだよ。今もな。俺ァお前が今、"ここ" に居てくれんならそれで幸せなんだよ。笑ってくれてりゃそれでいいんだよ。一緒に笑えりゃそれで」


そう言ってくれた。




わたしの目には涙が溢れた。

大切なことを隠していたわたしにそんなことを言ってくれる優しさを感じてならなかった。




わたしは銀さんに「ごめんね」と言って泣き続けた。

銀さんは黙ってわたしの頭を撫でた。

優しく...優しく...



「そんなに泣くこたァねーだろ」



なんて言いながら、優しく撫で続けてくれた。

しばらくして、銀さんはわたしの顔を覗き込むと、



「お前、そんなに泣くくらいなら最初から変な気ィ回して隠し事なんてすんなよ」



と言って、銀さんはわたしにキスを落とした...


「ッ///...タイミング...おかしすぎませんか?///」


自分の顔が真っ赤になるのがわかる

ただただ恥ずかしい...

銀さんはそんなわたしをしっかり見ると、


「なァ、お前の記憶から "高杉晋助" の記憶って消せない?」


...なんてことを真面目な顔で聞いてきた。


「えっと...それは...」


「アイツ、目障りなんだよね。あ、ついでにヅラも。何考えてるか知らねーけどヅラは一応。あと税金泥棒達も全員忘れてくんない?」


もはや無茶苦茶なことを言っていた。


でも、銀さんがそんなことを言ってくれちゃうおかげでわたしはまた笑うことができた。


「ふっ...やっぱり銀さんおかしい...」


そう言って笑ったわたしを見た銀さんは、



「...お前はそうやって俺の隣で笑ってりゃいいんだよ」



そう言って笑っていた___

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作者名:りず | 作成日時:2021年5月5日 23時

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