何者 ページ24
___お祭りから帰ってきたわたし達は、ほとんど営業を終えたスナックお登勢に立ち寄った。
わたしと新八くんと神楽ちゃんはソファーに座り、銀さんはカウンター席に座っていた。
「新八くん、神楽ちゃん、迷惑かけてごめんね」
やっと落ち着いたわたしは改めて、わたしを探してくれていた2人に謝った。
「何も謝ることなんて無いですよ、Aさん...」
「そーアル!Aが謝る必要はないネ!悪いのはAを置いてった銀ちゃんアル!あの騒ぎは最初からお前の出る幕はなかったネ、私と
「・・・」
神楽ちゃんが銀さんに対してそう言っているのは合流した時から。
それを言われても銀さんはここまで何ひとつ言い返していない...
わたしは神楽ちゃんに、
「神楽ちゃん、銀さんは何も悪くないよ」
と言い切り、さらに続ける
「わたしが銀さんでもそうしていたし、そもそもわたしが銀さんから離れていなかったら...」
と、言いかけた時、
「やめろ!...俺が悪い」
...と、ここへ来て始めて銀さんが口を開いた。
そして、その場が静まり返った。
ここまでずっとわたし達の様子を黙って見ていたお登勢さんが、ハァ...とため息をついて、
「辛気臭いアンタらを見るのはもう無いモンだと思ってたけど...特にA、アンタの顔は初めて
と聞いてきた。
すると、
「悪ィが新八、今日は神楽のこと頼めるか?」
銀さんがそう言った。
それに対して神楽ちゃんが、
「新八〜お邪魔しますヨ〜」
と言って、さっそく引き戸を開けて出て行った。
「あ!待って神楽ちゃん!...銀さん、じゃあこっちは任せてください!」
新八くんはそう言うと、神楽ちゃんのあとを追った。
2人共、わたしのために空気を読んでくれていた。
2人共、本当にありがとう。そして、ごめんね...
新八くんと神楽ちゃんが帰り、3人になると...って...
アレ?
...見覚えのある猫耳の天人、キャサリンがいた。
「何ガ始マルンデスカ?私ワクワクシマス♡」
・・・
「オイ、てめー 今の今までどこで何してたんだよ」
「ソコノカウンターノ下二隠レテマシタ」
「そーかい...キャサリン、アンタは部屋に戻ってろ」
お登勢さんはキャサリンを睨みつけた...
「ア、ハイ。皆サンゴユックリ...」
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作者名:りず | 作成日時:2021年5月5日 23時