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...
......
.........
_____ガバッ!
銀さんが起き上がる音が聞こえた。
(( じゃあ行ってくる ))
桂さんは小声でそう言うと、銀さんの部屋に入っていった。
_____ガラッ パタッ
「ガラにもなく魘されていたようだな...昔の夢でも見たか?」
「ヅラ?なんでてめーが...」
わたしは2人の様子を襖の間から盗み見る。
桂さんに頼まれた通り___
______________________
「...銀時を心配するA殿の意に反するかもしれんが、銀時を思ってくれているならば、銀時が目覚めそうになった時、A殿は隣の部屋に居てくれまいか?」
桂さんにそう頼まれたわたしは、
「なんでですか!?」
と、間髪入れずに聞いた。
桂さんがお登勢さんに連絡をくれなかったら気づけなかったことだけど、せっかく近くにいることができるなら、銀さんの目が覚めるまで1番傍で付き添いたいのが本音だった。
「A殿、男は好いた女の前で本当に弱っている姿は見せたくない生き物だ。きっと銀時も同じであろう...だからここは男の頼みを聞いてほしいのだ」
桂さんはわたしにそう答えた。
それでも傍にいたいと言うのが女の本音だ。
でも......
「...わかりました...」
わたしは桂さんの頼みを承諾した。
ただし、
「襖の間からは見てていいですか?」
という、条件をつけて!
「ああ、銀時にバレぬようにな」
「それはもちろんです!」
わたしはそう言って親指を突き上げた。
「...それからA殿、恐らく、銀時はあんな怪我でも仲間を助けに行くと言い出すだろう。だが、その時は俺もゆこう。だから、A殿には安心してアイツの帰りを待っていてほしい」
「...じゃあ桂さん、そっちは頼みますね」___
______________________そして、今に至る
桂さんは、銀さんの怪我の状態、それから銀さんが救った女性の容態、転生郷についてとその出処だと思われる 宇宙海賊 "春雨" についての話をひとしきりした。
それを聞いた銀さんは、
「仲間が拉致られた、ほっとくわけにはいかねェ」
と、立ち上がった。
桂さんの言う通りだ...
...あんな体で無茶は心配だけど...でも、
それが銀さんらしいような...
そんな姿を見ると少し安心してしまった...
銀さんが縁側へと向かうと桂さんも立ち上がった
それから桂さんは、襖の間から覗いているわたしに親指を突き上げて見せると、銀さんの隣へと向かった
わたしはそんな2人の男の後ろ姿を見送った___
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作者名:りず | 作成日時:2021年5月5日 23時