プロローグ ページ49
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_____ガララッ
「あ!Aさんおはようございます!」
「お!新八くんおはよ!...ってバカは?」
「あ〜...銀さんならまだ寝てます...何度起こしても起きなくて...」
「もォ...せっかく新八くんが毎日ちゃんと来てくれるのに本当にマダオだよね...」
万事屋の引き戸を開けると新八くんが朝清掃を始めていた。
「誰がマダオだァ?コノヤロー」
寝癖なんだか天パなんだかよくわからないボサボサ頭をガシガシ掻きながら銀さんが寝室から出てきた。
「銀さんしかいないでしょ!」
「あ?...って、A?なんでいるんだよ」
なんで...って...
______________________1年前の春
「A、俺ァお前を置いて行く時に己に誓ったことを忘れちゃいねェ...6年前の春、Aから何もかも奪ったこの世界を必ずブッ潰す...だが、それにはお前も必要みてェなんだ、また俺についてきてくれねーか?」
晋助にそう言われたわたしは涙を流していた。
この人は3年前の晋助とは明らかに違う...
まとう空気から全てが怖い...怖いのに...
わたしを包む晋助の温もりは、夢の中で晋助に抱きしめられた時と似ている。
それから、
___お前は帰る場所がねェ俺も帰る場所はねェ、どうだ 俺についてくるか?___
晋助と出会ったあの日を思い出してしまうんだ...
...でも...
「晋助...嬉しい...けど、ここで晋助にいい返事はできない...」
そう伝えて、わたしは晋助から離れた。
「そーかい...A、銀時に惚れたか?」
「いっいや!そ、そんなことないよ!!」
わたしは咄嗟にそう答えた
「・・・」
晋助はわたしの顔をじっと見ている
バ、バレませんように...!
「...わかった。ただ、俺にはお前が必要だ。これだけは忘れるんじゃねェよ...それじゃ、元気でな」
そう言った晋助は、わたしが進む道とは逆の方向へと歩き出した。
これで、間違ってない。
わたしは大切な人たちと
...って、あ!
まだ仕事中だった!幾松さんごめんなさい!!
わたしは急いでスクーターに乗って北斗心軒へと戻ったのだった___
______________________
...だからここにいるんだ。
「フフ、なんでって銀さんに会いたくなったからに決まってるでしょ?」
「A...新八の前だぞ...」
「銀さん、僕今日は有休でお願いします」
「え?...あ!///ちっ違う!新八くん!!」
___この物語の本当の始まりはこれから
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作者名:りず | 作成日時:2021年3月17日 20時