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北斗心軒に戻る通り道に桜並木が綺麗な通りがある。
ほとんど人通りがない、完全に穴場スポット。
今が1番見頃だろうな...
いつか銀さんともお花見とかしたいな...
いや、あの男は「あ?めんどくせーよ」とかなんとか言って来てくれないだろうな...
そんなことを考えながらスクーターを走らせていると、
「嬢ちゃん、ちょいといいかい?」
と、編笠を深く被った男に話しかけられた。
今、その道にはわたしとその人しかいない...
間違いなくわたしに話しかけていた
すれ違う一瞬で "女" だと見分けて...
わたしは驚きつつスクーターを停め、
「な、なんでしょうか?」
と聞き返した。
「なァ、嬢ちゃん...幸せな日々ってェのは、満開だった桜が散るように崩れていくような気がしねェか?」
「えっ...」
その声は、
どこか懐かしいような...
聞き覚えのある声だった
戸惑うわたしに対して男は話を続けた
「...俺ァ知ってる。この季節に崩れたものを...そして皮肉なことにそれが出会いをくれたことを。それから...」
男は編笠を取った
そしてわたしは自分の目を疑った
だって...
そこには...
「A、お前を知っている」
知らないはずがない
忘れるわけがない
「シ...ンスケ...」
シンスケ...高杉晋助が立っていた___
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作者名:りず | 作成日時:2021年3月17日 20時