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ジュエリーショップを出ると、外は暗くなっていた。
如何にもこれからがこの街、かぶき町の時間だと言うかのように、お店の看板照明はギラギラと光り、たくさんの男女が行き交う。
わたしは銀さんの大きな背中を見ながら歩いていた。
本当は隣を歩けたらいいのかもしれないけど、銀さんの隣に並んで歩くより、その背中を見て歩く方がよっぽど落ち着くようになってしまっていた。
すると、前を歩いていた銀さんがまた突然立ち止まった。今度はお店の前じゃなく...
「お前さ、隣歩いてくんない？」
振り返った銀さんにそう言われた。
「でもこっちの方が落ち着いちゃって」と言おうとした瞬間、
！！！！！！！！！！
「俺が見てない間にお前に何かあったら俺がバーさんにどやされんだろ」
そう言って、銀さんの左手はわたしの右手を握った
...そういえばジュエリーショップに入る時も少し握られたような気がするけど、街中を歩いているというシチュエーションが完全にカップルみたいで恥ずかしくなった。
「何か事件に巻き込まれるよりマシだろ」
そう言って銀さんはわたしの手を握ったまま、どんどん進んでいく。
銀さんの手は大きくて、
温かくて、
なんか、すごく意識しちゃう...
...なんかわたし気持ち悪ッ
自分の気持ちを紛らわす為にも銀さんに話しかけようと考えたわたしは、
「銀さん！これどこに向かってるの？」
と、明らかに繁華街も通り過ぎ、さらにスナックお登勢の方角でもないし、そういえば教えてもらってないので聞いてみた。
すると、
「お前、今日が何の日か覚えてないの？」
と、銀さんは前を見たまま言った。
「今日...？」
今日は8月2日...「あ...」
「やっと気づいたのか」
と言って銀さんはわたしを見た。
「...でもなんで銀さんが知ってるの！？」
わたしは咄嗟に聞いた。この話は普通なら銀さんが知るはずもない話...
「...幾松に聞いたんだよ」
「え！幾松さんが？」
わたしたちが向かっているのは確実に "あの場所"
わたしが
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作者名：りず | 作成日時：2021年3月17日 20時
