気持ち ページ20
連日暖かい日が増え、季節は寒い冬から暖かい春に移り変わろうとしている___
...にも関わらず、
年中 朝が苦手なわたしはボーッと職場のラーメン屋、北斗心軒へと向かっていた。
...なんか、この下り前にもあったよな〜なんて考えながら歩いていると
_____ドンッ
「わッ!すみませんッ!!!」
人にぶつかってしまったわたしは相手の顔を見ずに勢いで謝る
「ったく、どこに目ェつけて歩いてんだァ?」
・・・「「あ、」」
聞いたことのある...というか、最近うざいほど聞き慣れた声の主を見上げれば、
「なんだ、銀さんか...」
とりあえず知らない人じゃなかったことに安堵する...
「なんだってどういうこった!?」と眉間にシワを寄せる銀さんを無視してまた歩き出そうとすると、
「オイ!...テメッ!無視してんじゃねェ!」
と言われたけど、構ってる暇も余裕もないので、本当にそのまま無視してきた
...というより、
わたしは最近、銀さんの前で普通の態度がとれない...
そもそも、普通の態度ってどんな感じなのかもよくわからないけど、銀さんの顔を見ると嬉しかったり、激しく心臓が鼓動し始めたり...
そんなことを意識しているうちに銀さんと話すことがちょっと苦手になってしまっている...
銀さんに頭をポンッと叩かれた時なんかは一瞬にして顔に熱を持ってしまったり...
______________________
「A、そりゃ "恋" だね」
「...えっ?」
幾松さんのひと言に驚く
いや、ナイナイナイナイ!...ぜーったいそれはナイ!
だって銀さんだよ?
この前もお登勢さんに「収入そこそこあるんだったら少しでも家賃持ってこい!」って言われてるにも関わらずパチンコで大半を消したのがバレて怒られてたし...圧倒的悪い立場のくせに言い返してたけど...
あんな甲斐性なしは絶対に無い!
「幾松さん!それは絶対に無いです!!!」
わたしは全力で否定した
「ふーん...A、実はなんだけどさ、ちょっと前に銀さんを
幾松さんはニヤッとしながら言った。
「そ、そうだったんですか!?!?」
驚くわたしを見て幾松さんは、
「ふふっ A、全然気づいてなかったんだねェ...あの日のAを見て、私は確信したけどね!」
と言った。
...銀さんを好きだなんて自覚は全くないけど、幾松さんのその言葉を聞いて、わたしは顔が赤くなるのがわかった___
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作者名:りず | 作成日時:2021年3月17日 20時