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【銀時side】
「いやァ 銀さん助かったよ〜!Aも連れて来てくれてありがとね!」
俺は今、Aの職場の『北斗心軒』に来ている。
「幾松さんが困っていたらそれを助けるのもわたしの仕事です!」
Aはいつもより機嫌がいい。
「今日はお前じゃなくて俺が仕事したんだけどな」
隣にいるAの頭をポンッと叩いた。
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遡ること数日前、
「銀さん!わたしから頼みたいことがある!」
そう言って俺の家、もとい万事屋銀ちゃんへやって来たA
「報酬はしっかりもらうぞ」
俺がそう言うとAは、
「前にわたしが払った銀さんの食器と食材のお金はいつ返してもらえるの?」
と、勝ち誇った顔で言った。
ムカつくが、今回は仕方ない...
「チッ...んで、その頼みたいことってなんだ?」
「舌打ちしないで聞いてください!」
Aは一瞬ムッとしたあと
「北斗心軒の手伝いをしてほしいんです!」
と言った。
「ほくとしんけん?」
「はい!」
「お前が働いてるラーメン屋か」
「そうです!覚えててくれたんですね!!」
「あぁ、そこの幾松ってのが美人だって聞いたからな」
俺がニヤッとしてAを見ると、俺と初めて会った日の自分を思い出したんだかで目線を下に落としていた。本当にからかいがいがある奴だ。
「...で、北斗心軒で何しろってんだ?」
俺は話を戻した。
「あっ!えっと...わたしもよくわかんないけど、手伝ってほしい...って言ってました...」
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...結局仕事内容はラーメン屋の手伝いそのもので、本当に俺は必要だったのかと思える程度だった。
「銀さん!A!賄い食べていきな!」
「おぅ、ありがとよ」
「幾松さんありがとうございます!」
今日の仕事はタダ働きのようなモンだが、仕事終わりにAと一緒に食うラーメンがあるならそれも悪くねェ___
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作者名:りず | 作成日時:2021年3月17日 20時