Third！元暗殺者はボーダーに

７４時間目 涙 ページ22

＿２日後

「な…なんだ…お前…！なんで…！」

そう騒ぐ男の額を躊躇なく撃ち抜く
赤い血が飛び散り、男は糸が切れたように倒れた

A「やっぱり…彼奴の言う通りなんやな…」

ウチはあらゆる目的の為に殺戮を正当化する…その通りだ
今だって『玉狛の皆を殺させない』という目的のために、この殺戮を正当化してるから

「殺されてたまるもんですか…！」

そう言って逃げ出そうとした女を撃ち殺し、襲いかかってきた男を蹴り飛ばす
この男が…今回の最後の暗殺対象

ﾊﾟｧﾝｯ

廃墟に銃声が響き渡った
その音に驚いたのか、何羽かの鳥が木から飛び立つ

気付けば外は真っ暗だった

A「任務完了」

闇堂〈戻ってこい〉

A「…了解」

そう答えて通信を切ると、少し向こうに気配を感じた
バレないように影に身を隠して様子を見る

A「は…遊真！？」

その姿を見た途端に慌てて座り込む
不味い、こんなところ見られたら終わりや…

A「って…なに言っとるんや…どうせ戻らないのに…」ﾎﾞｿｯ

自分の赤く染まった手を見ながらそう呟く
玉狛を出てからの３日間で、もう１０人は殺している

A「この世界やったら…生きる許可を貰えるんかな…」

ウチがそう考えながらぼーっとしていた時だった

遊真「…見付けた」

A「！？」

何時の間にか目の前には遊真が立っていた
少し怒ったような表情で座り込んだウチを見下ろしている

遊真「なにしてんの？」

A「…遊真には関係ないやろ」

遊真「じゃあ、なんで泣いてんの？」

遊真に言われて初めて気付いた
いつの間にか、ウチの目からは透明な涙が流れていた

闇堂〈なにをしている。早く戻ってこい〉

A「！…はい」

突然、耳元のインカムから闇堂の冷たい声が聞こえる
ここに遊真達がいることはバレてないみたいだ

もう一度返事をして通信を切ると、遊真の方を見る
さっきとは違って、少し悲しげな表情だ

A「さようなら。もうウチを…光で照らさないで」

遊真「…！」

A「遊真…関わらないで(助けて)！」

遊真が目を見開くと同時に、廃墟の窓から飛び降りて姿を消した


＿遊真side

修〈空閑！すまない、見失った！〉

千佳〈ごめんね遊真くん…！〉

トリオン体の通信機能から、オサムとチカの声が聞こえた
包囲作戦は失敗か…

遊真「どうする？クオンさん」

久遠〈…３人を使ってごめんな。後は俺がやる〉

…え？

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分かりにくくて本当にごめんなさい(スライディング土下座)

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