（39-��.） ページ8
｢とりあえず、式場……あっ｣
北斗の｢あっ｣は、まるで医者が手術中にやらかしたかのように響き、樹は一瞬にして我に返り、北斗の方を向いた。
｢なに?｣
｢…しまった。俺、式場がどこか聞いてない…｣
｢…時間、あとどれくらい?｣
｢えっと…あと30分も、ない…｣
この絶望的な状況に、ふたりは言葉も出なかった。
しかし、ふたり仲良く絶句していてもしかたがない。
｢樹、近くの結婚式場とか…教会とか、調べてみて｣
｢え、片っ端から?｣
｢それしかないよ。間に合う保証はないけど…やるだけやろうよ｣
｢…わかった｣
そして北斗は車を走らせ、横で樹は北斗のスマホで近くにある式場もしくは教会を調べ、手当り次第にそこへ向かった。
しかし、悲しくなるほどにハズレばかりで、なかなかAたちを見つけられないまま、とっくに30分は過ぎていた。
もうダメかもしれない…ふたりとも口にはしなくても、そんなことを考え始めた頃だった。
｢あ、北斗、メール来たけど｣
｢開いてみて、お嬢かも｣
樹は、北斗のスマホに表示されたメールの通知をクリックし、それを見た瞬間、身を乗り出すように叫んだ。
｢聖ノ石教会!!!｣
｢え、なに?なにが??｣
困惑する北斗に樹はスマホの画面を突き出した。
そこに表示された画像は、たしかに聖ノ石教会で間違いなかった。
｢それ、誰から?お嬢??｣
｢いや。ジェシー…って、誰?｣
｢ジェシー!?｣
｢誰?｣
｢京本大我専属の執事だよ。なんでジェシーが、わざわざ…｣
｢でも、行ってみようよ。ここ｣
｢だな｣
そしてふたりは聖ノ石教会へと進路を変え、少し急ぎ足で車を走らせた。
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さいか(プロフ) - リリーさん» コメントありがとうございます！最後まで楽しんで頂けたなら、本当によかったです！ぜひぜひ、次回作も楽しみに待っていてください！ (2019年2月3日 0時) (
レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - なるみやさん» コメントありがとうございます！お褒めの言葉とても嬉しいです！最後まで書いてよかったと思えました。ぜひ、次のきょもほくもよろしくお願いします！ (2019年2月3日 0時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 完結お疲れ様です！今回も素敵な作品で最後まで物語の世界へ引き込まれていきました。何度も読み返したくなるような…。次回作も期待してます！ (2019年2月2日 22時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
なるみや(プロフ) - はじめまして。完結おめでとうございます！とても言葉のチョイスが素敵で惹き込まれました(;_;)それぞれの思いが交差して絡まって最後は綺麗に解けていく、そんな風に感じました。次のきょもほくの作品もとても楽しみにしています！ (2019年2月2日 21時) (レス) id: 3d9da8fdcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2019年1月25日 20時
