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北斗は車を走らせ、まず樹の自宅へと向かったが、樹の姿はない。
そして、今日が平日だというこのにようやく気がついた。
平日の昼間に家にいる社会人がいるだろうか…と、北斗は自分がニートであり、曜日感覚を失っていることに嫌気がさした。
しかし、そんな反省をするよりも先に樹を探す方が先だ。
北斗は次に樹の職場へと向かう。
何となくの場所と外見を教えてもらっていたため、その付近に着くとすぐにわかった。
なんともまぁ昼間には入りにくい雰囲気を漂わせる店の前に車を止め、北斗は勢いよく扉を開けた。
｢いらっしゃ、い……北斗?どうした、そんなに急いで｣
北斗の必死な形相とは相反して、樹はカウンターに立ちながら呑気に客と談笑していた。
｢樹!!!｣
｢あ、北斗…何、何事???｣
未だ状況を理解できていない樹は、ゆっくりと北斗に近づくが、それはどこか危ない人を見るかのような目だった。
｢説明してる暇とか、ないから…とりあえず、来て｣
｢え、いや…仕事中｣
｢あーもう、樹のばか。いいから!｣
｢いやよくないし…｣
残念ながら、絶賛ニート中の北斗と、自分の生活のため真面目に働く樹の間で多少の常識のズレが生じた。
樹の社会人としての当たり前の行動にイライラしつつも、説明するという余裕さえ失った北斗はとりあえず樹を車に連れ込もうと必死になる。
｢樹、行ってきていいよ｣
｢慎太郎…｣
そんなふたりをすぐ近くで見ていたのは慎太郎だった。
慎太郎は鈍感な樹とは違い、北斗のただならぬ雰囲気を感じ取り、樹の説得に加わった。
｢樹がいない間、俺が店番しとくからさ｣
｢え、でも…｣
｢どーせ客もほぼいないし、任せな!｣
｢…ありがとう｣
樹は渋々という形だが、大人しく北斗の車に乗り込んだ。
｢ほんと、なんなの?｣
｢お嬢が結婚する｣
｢は?｣
｢だから、お嬢が、今日、京本大我と、結婚する｣
北斗はなにもわかっていない樹に一言一言はっきりと、丁寧にその事実を告げた。
理解したのかしてないのかわからないような顔で樹は固まる。
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さいか(プロフ) - リリーさん» コメントありがとうございます！最後まで楽しんで頂けたなら、本当によかったです！ぜひぜひ、次回作も楽しみに待っていてください！ (2019年2月3日 0時) (
レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - なるみやさん» コメントありがとうございます！お褒めの言葉とても嬉しいです！最後まで書いてよかったと思えました。ぜひ、次のきょもほくもよろしくお願いします！ (2019年2月3日 0時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 完結お疲れ様です！今回も素敵な作品で最後まで物語の世界へ引き込まれていきました。何度も読み返したくなるような…。次回作も期待してます！ (2019年2月2日 22時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
なるみや(プロフ) - はじめまして。完結おめでとうございます！とても言葉のチョイスが素敵で惹き込まれました(;_;)それぞれの思いが交差して絡まって最後は綺麗に解けていく、そんな風に感じました。次のきょもほくの作品もとても楽しみにしています！ (2019年2月2日 21時) (レス) id: 3d9da8fdcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2019年1月25日 20時
