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｢………お前、馬鹿なの?｣
『いや、違うと思う｣
｢いや、馬鹿だよ｣
『なんでよ』
｢なんで生まれた時から一緒の幼なじみとの約束を優先して、17年待ち続けた運命の人からのデートのお誘いを断る?｣
樹はいつにも増して熱弁した。
『待て、樹、約束は先着順だ。相手によって変えちゃダメだ。そう、習った…｣
樹の熱弁も虚しく、Aの冷静なド正論は樹の心を納得させた。
｢…はぁ……｣
『樹…なんか、怒ってる?』
｢いや、呆れてる｣
樹は呆れて何も言えず、Aは樹が呆れる理由を必死に考えた。
しばらくの沈黙をやぶったのは、Aだ。
『あ、そういえば私…彼の名前、知らない』
｢はぁ?｣
『聞きそびれた、しまった…』
｢…京本大我｣
樹はこーちに教えてもらった彼の名前を復唱するかのように口にした。
『…え?』
｢その人、お前の運命の人…京本財閥のお坊ちゃん｣
『あ、そうなんだ』
あ、そうなんだ…で済ませていい相手ではないが、そこをそれで済ますのがAだ。
Aはもし相手が貧乏でも、きっと同じ反応をする。
それを樹は、わかっていた。
相手の地位や身分によって態度や気持ちを変えない。
Aの人を惹きつける力に理由があるとすれば、そこが大きいのだろうと樹は思っている。
樹もそんなAに、救われたのだ。
｢そろそろ切るよ｣
『あ、ごめん、ついつい長電話してしまった…｣
｢じゃあ、おやすみ｣
『おやすみなさい』
電話を切ると、樹はすぐに布団をかぶった。
Aの声がまだ耳に残っているうちに、眠ってしまいたかった。
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さいか(プロフ) - ちいさん» お褒めの言葉、ほんっとうに嬉しいです(;_;) 最後までどうぞよろしくお願いします！！！ (2019年1月25日 20時) (
レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます！ ぜひ、最後まで楽しんでください！！ (2019年1月25日 20時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 初めて読んだ瞬間、なんて素晴らしい文章力だろうと感動しました。個人的に大我くんが好きなので、女の子と上手くいって欲しいな…と祈りながらも楽しく読ませて頂きます笑 これからも応援しています。 (2019年1月24日 20時) (レス) id: a3ba396e6d (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - 今回の作品もとても楽しみにしています！ (2018年12月21日 11時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2018年12月20日 23時
